プロ野球チームの「推し活」に日々没頭する牛窪さんが、専門とするマーケティングや行動経済学の知見もたよりに導き出したのは、誰もが共感しうる普遍的な「幸福論」です。
牛窪さんの「タイガース愛」などについて聞いた前編に続き、本稿では「小さな幸せ」を積み重ねるのが大切と説く、牛窪さんがすすめる理想的な生活を聞きました。
日常的な「小さな幸せ」を積み重ねて
牛窪恵(以下、牛窪) はい。私の愛するタイガースでいえば、チームが勝ったり優勝したりするのはもちろんうれしい。でも「幸福感」に繋がる快楽物質のドーパミンは、実はそうした「結果」に対してよりも、途中の過程で「きっといい結果が出る!」と期待してドキドキワクワクすることによってこそ、多く放出されるんです。つまり、幸福実感のポイントは「大きな幸せを得ること」より、「小さな幸せ(期待)を募らせること」なんですよね。
こうした日常的な「小さな幸せ」を持続可能にするのが、新著の3章「幸福持続の法則」で紹介した、「偶然の出会いを求める行動(セレンディピティ効果)」だったり、「次はこうなるとの推理(インファレンス効果)」だったりします。
また、アメリカの心理学者セリグマンによる「PERMAモデル」も重要です。PERMAは、持続的な幸福感に関わる5つの要素の頭文字ですが、日本語に置き換えると「ポジティブな感情」や「没頭」「人間関係」「人生の意義」「達成感」などとなります。推し活はまさに、この多くを兼ね備えていますよね。つまり、「ポジティブな感情」をきっかけに推しに惹かれ、ファン同士が良好な「人間関係」を築きながら「人生の意義」を見出し、なんらかの「達成感」を得る。
実はそのとき、半ばクールな状態でいるよりも、時間を忘れるほど対象に「没頭」することこそが大切だとされています。
「偶然の出会い」が幸福感を高める
牛窪 大切なのは、なんらかの行動、アクションを起こすことですね。大げさに何かをする必要はなくて、近所を散歩してみるだけでもいい。たとえば、通ったことのない路地に入ってみると、思いがけず美味しいお店が見つかって「なんか得した」「今日はツイてる」など、うれしくなることがあります。これが、行動経済学で言われる「セレンディピティ効果」です。
皆さんはそんなとき、事前に「美味しい」との評判を調べて行ったお店より、幸福感が高まるのではないでしょうか。人は「偶然の出会い」によって喜びを得ると、脳の「報酬系」と呼ばれる神経回路が普段より活発化して、ドーパミンがより多く放出されます。つまり、ルーティンからはずれた行動を起こすのが、幸運や幸福感のポイントでもあるんです。
――いわば、ささいなことでもいいから冒険してみるのが大切だと。
牛窪 そうですね。また、ときめく体験がないと、自分がどんな対象に心を惹かれるのか分からない。
実はコロナ禍でデジタル化が進んで以降、先進国の多くの国で「デジタルストレス」が急増しました。特に真面目な方ほど、スマホに相談ごとの連絡が入ってくると「即レスしなければ」などと振り回され、ストレスが溜まりやすくなる、という研究結果もあるんです。ですから、ほんのわずかな時間であっても好きな曲を聴いたり、好きなお店で1杯だけコーヒーを飲むといった時間が、より重要になっています。
周りへの「感謝」を記録するのも大切
牛窪 はい、大きくは2つです。1つは言うまでもなく、阪神タイガース。実は私、以前は寝つきが悪かったんですが、寝る前に1985年の阪神日本一の試合(“バース・掛布・岡田”を擁した、対西武戦)の音声を聴きながらベッドに入るようにしたところ、嘘のようにぐっすり眠れるようになりました(笑)。まさに、幸福感に満たされて眠りに就く感覚です。
もう1つは、ホテルです。幼少期、父が在京テレビ局勤務だったので忙しく、限られた休みで都内のホテルで何泊かするのが家族旅行の定番だったんですが、当時のなごりで、ストレスが溜まったときはホテルに行くんです。泊まるほどの時間がないときは、30分でも1時間でもいいので、ホテルにあるカフェでお茶を飲む。
――牛窪さんの周囲で一目置く「自分なりの幸せ」を見つけている方もいるんでしょうか?
牛窪 過去に取材した中では、葉巻が趣味の男性がいらっしゃいました。その方がお好きな葉巻は、1本を吸い終わるまで4時間かかるらしくて。でも彼は、どれほど忙しくても1週間に1回は葉巻を吸いながら好きな音楽を聴く、そのとき「将来はどうしようか」と自分の人生だけに思いを巡らせる時間こそが最高の贅沢だとおっしゃっていました。
また、印象的だったのはアロマやハーブティーについての知識を学んで、生活に取り入れていた女性ですね。気分によって「今日は集中したいから、グレープフルーツの香りに」や「今日はイライラしているので、リラックス効果が望めるカモミールティーに」と使い分けるうえ、自分にとって心地良いお香やアロマを、オリジナルで調合されていました。調合することで、自分のそのときの気分や内面を発見できるそうです。
――子育てに忙しい読者の方々も多いのですが、時間が限られる中で幸せを見つけるための秘けつも教えてほしいです。
牛窪 新著にも書いたんですが、日常的に「感謝」を示すことがとても重要で、実は感謝は「されたほう」より「したほう」が、幸福実感が強いとの研究結果もあります(情動伝染効果)。その対象は、人でなくてもいいんです。
例えば、阪神ファンとしては、チームの本拠地である甲子園(阪神甲子園球場)を整備してくれる「阪神園芸さん」にも日々感謝しているんですが、自分をわずかでも支えてくれるものへの感謝の気持ちをメモ帳やスマホに記録して、1日の終わりに振り返るのも有効だとされています。そのことによって、「今日はこんないいことがあった」「あの人がこんなことをしてくれた」などとポジティブな記憶が定着するとともに、小さな幸せにも気づきやすくなります。
年収が上がりすぎると人は幸せになれない?
牛窪 はい、1970年代の研究ですね。その後、いくらまでの年収が「幸福感」を実感しやすいのかを調べた研究も複数あります。最も有名なのは、「年収約800万円」が「幸せの損益分岐点」であるという、プリンストン大学の研究結果でしょう。つまり、年収が800万円を超えてもなお、「もっと多くを手にしたい」と仕事に注力する人は、その分、自分の時間や健康、大切な仲間を失うなどし、結果的に幸福感を実感しにくくなる可能性が高まる、といった内容です。
年収というのは、あくまでも客観的な、資本主義の仕組みに照らし合わせた数値の話であって、それで本人が幸せを感じられるかどうかは、また別の話ですよね。ゆえに近年は「主観的ウェルビーイング」、その人自身が何に幸せを感じるかこそが、重要だとされています。
例えば、年収が少なくとも、地元のコミュニティで周りと助け合い、自給自足に近い生活を送って幸せを感じる方もいれば、メルカリで古くなったモノを売って新たなモノを買うことで、充実感をおぼえる方もいる。かつて、喜劇役者で映画監督のチャールズ・チャップリンは「人生に必要なのは勇気と想像力、そして少しばかりのお金」だと言いました。確かに経済力は必要ですが、それがすべてではない。大切なのは「自分にとっての幸福感」なのです。
――自分にとっての幸せを見つけて、充実した生活を送る。そのために、やはり「小さな幸せ」をまず見つけるのが第一歩というのが、牛窪さんのお話しを受けての感想でした。
牛窪 ありがとうございます。そのとき、とても大事なのは、人それぞれの感性だと私は思います。感性を養うためには、適度な休息も必要ですね。疲れていると、感性は鈍ってしまいますから。私の場合は、阪神タイガースと共に人生を生きている感覚なので、推し活がさほど癒しにはならないのですが(笑)、その分、先ほどのホテルほか、別の癒し系の趣味にも時間を割くようにしています。
皆さんもぜひ、「小さな幸せ」の対象をいくつか見つけると共に、できればそのうちの1つに、とことんハマってみてください。騙されたと思って「阪神タイガース」など、いかがですか?
<取材・文/カネコシュウヘイ>
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