これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活アドバイザーの菊乃です。髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。


現代でも「専業主婦になりたい」という女性は少なくありません。昭和時代なら「家庭を守る」志向は結婚のプラスに働いたでしょうが、現在ではまったく事情が変わっています。今回は、その実例と理由をご紹介します。

「仕事がつらいから結婚したい」29歳派遣OLの誤算。“専業主...の画像はこちら >>

専業主婦になりたい女性は、いまも結構いる

ご相談に来た美玖さん(仮名・29歳/派遣社員)は30歳までに結婚したいという希望をお持ちでした。

でも、結婚した夫婦の交際期間は平均4年ほど。スピード婚と呼ばれる夫婦でも、出会ってから入籍まで半年ぐらいはかかります。美玖さんは、すでに29歳数カ月にして彼氏もいないので、「30歳までに結婚するのは厳しい」と伝えました。
彼女は、驚いたようでした。

美玖さん「じゃあ、30歳までに結婚前提で付き合える彼氏を作りたいです」
菊乃「これなら少しは現実的かも。結婚前提の彼氏を作るなら結婚相談所が一番効率的ですよ」
美玖さん「結婚相談所にします」
菊乃「どんな結婚生活が理想でしょうか?」
美玖さん「結婚したらすぐ仕事を辞めて専業主婦になりたいから、相手は、太っていたりしてもいいけど年収は高い人がいいかな」
菊乃「高いって具体的にどれぐらい?」
美玖さん「う~ん。700万円ぐらい?」
菊乃「失礼ですが美玖さんの年収は今どれぐらい?」
美玖さん「270万円」

2021年の出生動向調査(国立社会保障人口問題研究所)によると、女性で専業主婦が理想だという人は13.8%=7人に1人ほど存在します。

相手に専業主婦を望む独身男性は、たった6.8%

ところが、同じ調査で「独身男性がパートナーに望む結婚後のライフコース」を見ると、専業主婦を希望する男性はたった6.8%しかいません。

専業主婦希望の独身男性の割合はずっと減少傾向で、1987年には約40%もいたのが、2021年に6.8%まで激減したのです。

「仕事がつらいから結婚したい」29歳派遣OLの誤算。“専業主婦”への男性の反応がシビアすぎた
男性がパートナーに最も望むのは、「両立コース=結婚し子どもを持つが仕事も続ける」で39.4%です。
次いで、「再就職コース=結婚や出産で退職するが、子育て後に再就職」が29.0%。

物価上昇の影響があり、相対的に生活が苦しくなっている2026年現在だと、専業主婦を希望する男性はもっと少ないでしょう。いたとしても、転勤がある仕事とかそんな男性ではないでしょうか。

つまり、女性が専業主婦を望んでも、男性側が「働いてくれなきゃ無理」と思っているのが現実なのです。

専業主婦希望を隠して婚活するのは危ない

美玖さんには専業主婦希望の男性がそれだけ少ないことは伝えました。婚活男性からは、知り合った女性から、仕事を辞めたいような発言をされて「専業主婦希望なんだろうな」と思って関わるのをやめた、という話はよく聞きます。

「仕事がつらいから結婚したい」29歳派遣OLの誤算。“専業主婦”への男性の反応がシビアすぎた
ステキな主婦に憧れるのはわかるけれど…
「別に、結婚してから仕事を辞めればいいんじゃないですか? 結婚前に言わなきゃダメなんですか?」
と、美玖さんは驚くことを言います。

菊乃「そんなことしたら、相手から離婚されるかもしれないですよ。結婚相談所だと、結婚観はある程度はすり合わせて成婚退会するし、後から言うのはマナー違反かな」

美玖さん「仕事辞めたから離婚っていうような男は嫌ですね」
菊乃「相手からしたら、結婚して突然仕事を辞められたら、ダマされたって感じますよ。今は共働きがスタンダードなので、子どもができたタイミングなどで退職する女性は今も多いですけど、入籍してすぐ辞めるとか、専業主婦希望を隠して結婚するとかは、トラブルになりやすいですよ」
美玖さん「そうなんですか」

菊乃「転勤がある仕事の方とか、家業がある方、地方の方とかで専業主婦も許容する方いますけど、そういう方はありですか?」
美玖さん「転勤はちょっと…。家業って私も手伝うってことですか? 地方もできたら行きたくないな」

なお、美玖さんは一度も一人暮らし経験はなく、今も実家暮らしです。環境が大きく変化する結婚は負担が大きいかもしれません。

「10歳年上の男性でもOK」は、武器になるのか?

ここで甘い話をするのは美玖さんのためにならないので、私は厳しい現実をお話しました。

菊乃「婚活って男性側も選んでいるんです。
正社員で働く女性とか、一人暮らしして家事力がある女性が、ライバルなんですよ。年収700万円以上の男性が、専業主婦になりたい美玖さんを選ぶメリットってどこですか?」

美玖さん「相手は10歳年上ぐらいまではOKかなと思っているんですけど、それだとどうですか?」

菊乃「10歳だけだと厳しいかなぁ。年収400万円以上の正社員アラサー女性はたくさんいますから。専業主婦志向なら、転勤についていけるとか、せめて子どもができるまでは働く、ぐらいじゃないと。

今って、年収高めの男性と結婚する女性って、だいたい女性側も年収が高いんですよ。700万円以上の男性だと、400万円以上の女性とデートしていますよ。29歳も、武器になるほど若いわけじゃないんです」

美玖さん「マッチングアプリだと年収1000万円以上の男性とも会えたけど、700万円って難しいんですか?」
菊乃「マッチングアプリは本当の年収じゃないかもしれないし、女性というだけでたくさん『いいね』は来るので、アプリで自称年収1000万円男性とデートできたから結婚できるわけじゃないですよ」

美玖さんは揺らぎます。そんなに厳しいとは思っていないようでした。

本音は「結婚したい」より「仕事がつらい」だった

菊乃「なぜ専業主婦になりたいのでしょうか?」
美玖さん「働くことに向いていないと思うんです。仕事が辛いんです」

美玖さんは、専門学校卒業後に正社員で就職したものの、合わないと思ってすぐ辞めています。

「仕事がつらいから結婚したい」29歳派遣OLの誤算。“専業主婦”への男性の反応がシビアすぎた
働く女性
「やりたいことがあるなら正社員でいいかもしれないけど、やりたいことがないから派遣だった」という理由で、派遣を続けてきたそうです。

私生活を詮索してくる派遣の同僚がいたり、派遣先に舌打ちする社員がいたりしたものの、契約満了までいれば次の仕事を紹介してもらえます。

ただ、これまでも派遣のままでいいのか不安になったことはあって、ライター養成講座や動画編集のセミナーを受けたり、簿記の資格を目指そうとしたこともあるそうです。


「婚活のために正社員になる」という選択

菊乃「まだ29歳なら人手不足で就職しやすいタイミングだし、正社員の就職を目指しては? 正社員で働いている方が、会える男性のレベルは間違いなく上がります」

美玖さん「そうなんですね。でも、やりたいことがあるわけじゃないのに」

菊乃「やりたいことって、別に『安定して給料がもらえる』とか、『育休・産休を取得している女性が多い』とか、そういう理由で職場探しをしてもいいんじゃないでしょうか。
それより、若いと言っても29歳だし、採用される業種や職種がある程度は限られてきているから、急いだほうがいいと思いますよ」

美玖さん「やば!婚活の前に就活します」

美玖さんの目標は、「30歳を迎える時は正社員で働いている」に変わりました。転職活動がうまくいくことを祈ります。

<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
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