ここ数年、山﨑賢人から漂う圧倒的大物感が凄まじい。主演ドラマ『アトムの童』(TBS系、2022年)以降、地上波のテレビドラマには出演せず、大作シリーズの掛け持ちで大忙しだ。


 その間、2023年からアンバサダーを務めるサンローランのファッションショーに参加するため、毎年のように渡仏。配信ドラマとの相乗効果もあり、世界的な注目度は右肩上がりでもある。

 山﨑賢人は決して安売りしない。安売りしないからこそ、大物感は強まる。俳優デビュー以来、その大活躍をウォッチしてきた“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。

大人気実写化シリーズ完成披露試写会での豪華な装い

 2026年2月25日、野田サトルによる大人気漫画を原作とする実写化シリーズ『ゴールデンカムイ』の続編、『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』の完成披露試写会が行われた。

 3月13日の公開日を前に、約4000人もの観客が集まった。2026年公開作の中でも一際興奮交じりの期待を寄せられる作品の、先行試写会というだけあって、登壇した俳優たちの装いも豪華だった。

 大注目の的はもちろん、主演俳優・山﨑賢人だ。山﨑はアンバサダーを務めるサンローランのスーツを着ていた。しかも2026年夏のメンズコレクションからのセレクトだ。さらりとした生地がさりげない高級感を漂わせつつ、ネクタイをシャツの中に入れるトレンド感。

 これはネクタイの先をパンツインするトレンドと同様、タックインと呼ばれる。
山﨑賢人とタックイン。それだけでいい響き。世界のファッションの最先端を、こうした国内の主演映画披露の場でさらっとまとわせてしまう。モードを体現した存在感が洗練を極める。

ここぞという場を見定めるフェーズ

 ネクタイをシャツにタックインする着こなしは、今年3月にファッション・ウィーク開催中のパリでも見せてくれた。ファッション・ウィーク2日目に行われた、サンローラン2026年秋冬ウィメンズコレクションのショーに招待されたからだ。

 パリに入り、車から下りる山﨑を捉えたスナップは、レザーとジーンズのシンプルな組合わせだったが、ショーに参加する際の着こなしは本人もテーラード(仕立て)が気に入っていると話すブルーのシャツにネクタイをタックイン。エッフェル塔を背景に撮影した写真をInstagram上に投稿すれば、当然のようにネットニュースになる。

 近年の山﨑は主演作以外の話題だと、こうした世界のファッション関連で目立つことが多い。公開(配信)時期になれば、もちろん国内のバラエティ番組に出演して宣伝に勤しみはするが、昔に比べると地上波での露出は控えめだ。

 テレビドラマ出演は、TBS日曜劇場の初主演作『アトムの童』以降ない。「ゴールデンカムイ」シリーズや「キングダム」シリーズ(2019年~)、はたまたNetflix配信の「今際の国のアリス」シリーズ(2020年~)など大作の撮影で単純に忙しいからだが、彼のキャリアは明らかに自分が輝くためのここぞという場を見定めるフェーズに入っている。安売りはしない。
だから格が上がる。

山﨑賢人から漂う圧倒的大物感

 2023年2月、山﨑は日本人で初めてサンローランのアンバサダーに就任した。世界が彼の才能を認め、もはや国内に留まらないセレブリティであることを示した。それをいかにも自然な素振りでやってのけてしまうのが、山﨑らしい人懐こさでもある。山﨑クラスの俳優になれば、少なくとも同年代にライバルはいないだろう。

 2025年9月のパリ滞在でそれを強く確信した人も多いかもしれない。これもサンローランの2026年夏ウィメンズコレクションのショーに参加するためだったが、日本の媒体掲載用にセーヌ川で撮り下ろしたショットがどれもが圧倒的に輝いていた。

 山﨑が着たのは、2025年冬メンズコレクションから19ルック目。紫色のタートルネックにレザーのグローブが、俳優としての洗練具合を物語っていた。

 31歳にして漂う、圧倒的大物感。山﨑が国内の映画界で「実写化王子」の異名を取っていた2016年に、サンローランのクリエイティブ・ディレクターに就任したアンソニー・ヴァカレロが手掛けるコレクションは、山﨑賢人からまさにエスプリ(精髄)を引き出している。自ら世界の舞台を目指す必要もない。
彼はただ自然と世界から必要とされる存在なのだ。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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