37歳で想定外の妊娠をし、2025年8月末に出産した。

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 妊娠に気づいたのは16週に入ってからだった。
長年の生理不順や「妊娠は難しい」と言われていた過去に加え、ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性でセルフネグレクト癖があり体調管理がおざなりになること、算数障害(発達障害の一種で数字、計算に困難を抱える学習障害)で生理周期を正しく把握していなかったことなど、いくつもの要因が重なっていたのである。

 現在、あっという間に息子は生後6か月。お世話ルーティーンもできあがり、稼働時間は短いが仕事もこなし、育児と両立しようとしている。

(※編集部注…本記事は筆者の個人的な体験談であり、医学的アドバイスに代わるものではありません。特に離乳食の進め方やアレルゲンの摂取については、お子さまの状態によってリスクが異なります。実践される際は、必ず専門医や自治体の指導、最新のガイドライン等を確認し、ご判断ください)

育児と仕事に追われ、家がだんだん荒れてきた

37歳で計画外の妊娠をした私が「友達のテキトー育児」に衝撃!“私を苦しめていたもの”に気付かされた話
ボールが転がり落ちるオモチャに夢中な息子と猫(赤ちゃんのオモチャって猫のオモチャに似てますね)
 しかし、そこで問題として現れたのが仕事をこなそうとすると家の掃除まで手が回らなくなってしまうこと。それまでは息子が寝ている時間に家事を済ませていたが、2~3か月の頃と比べるとかなり長い時間起きているようになった。

 また、最近はお昼寝をほとんどしないようになってしまった。30~40分ですぐに起きてしまうのと、寝ている間に料理や洗い物といった少し音を立てる家事をしていると、うつ伏せになってにょきっと上半身を起こし(寝返りができるようになった)ベビーベッドのメッシュ部分から真顔でこっちを見ていてぎょっとする。

 試行錯誤の末、1時間以上お昼寝してくれる方法は添い寝しかないことがわかった。しかも、ずっとそばで自分も体をくっつけて寝転がっていないと起きるので(目が開きかけたとき、隣に親がいると安心してまた眠りに落ちる。いないと起きてしまう)スマホをいじるかイヤホンをしてテレビを見ることしかできなくなってしまった。

 こんなにお昼寝時間が少なくて大丈夫なのかと心配になり助産師さんに相談するも、今の時期は脳が多くの刺激を受けて成長しているせいで、眠りが浅くなって起きてしまう「メンタルリープ」と呼ばれる現象で、成長している証なので心配しなくてもいいとのことだった。


 しかし、掃除の時間がとれないのは困る。ほぼ毎晩、現在1年間の育休中の夫が夜間のお世話をし、朝7時半に私にバトンタッチして午前中は私がお世話。その間に夫が仮眠を取り、午後から夕方まで夫がミルクやオムツ替え、遊び、お昼寝の寝かしつけなどのお世話をして、その間に私は仕事をしている。

 午後、夫が家事をすべて終えられればいいのだが、息子を見ながらなので、どうしてもすべてを終えられないし、かと言って私が午前中にすべての家事を終えることも、やはり長く朝寝をしてくれないと難しい。

 離乳食も始まったので育児タスクが増えると、だんだんと部屋が荒れてきた。息子をベビーマットの上に転がしていることが多いので、猫の毛やホコリを食べてしまわないよう、なんとか掃除機だけは毎日かけるようにしているが(それでもかけられない日もたまにある)、水回りには水アカが目立ち始め、排水溝キャッチに髪の毛がたまって水が詰まるようになってしまった。

たどりついたのは“完璧を目指さない掃除”

 大人だけで暮らしているなら少しくらい汚くても許容できるが、赤ちゃんがいるとなるとアレルギーや衛生面が気になってしまう。毎日すみずみまで掃除をしていると仕事ができないので、「スキマ時間」と「ついで時間」に掃除をすることにした。

 息子をお風呂に入れたら夫にバトンタッチして保湿や着替えをしてもらうので、私はその間に5分でざっとお風呂の床と壁を掃除(湯船にはたまにしか入らないのでお湯を溜める前に洗う)、キッチンの掃除は洗い物をしたついでに3分、まな板の消毒は離乳食を作る前だけ。

 そして、朝寝だけは必ず20分ほどしてくれるので、その朝寝時間を無駄にせずトイレと洗面所を10分以内に終わらせる。これでなんとか最低限の清潔が保たれるようになった。

 完璧とは言い切れないが、仕事をするためには子に影響がない程度には汚くてもOKということにした。

便利な離乳食アプリ。
「発達特性」ならではの落とし穴

37歳で計画外の妊娠をした私が「友達のテキトー育児」に衝撃!“私を苦しめていたもの”に気付かされた話
ある日の離乳食
 今一番手がかかっているのが離乳食だ。

 当初は生協の野菜のペーストやベビーフードのみで乗り切ろうと思っていたが、離乳食アプリを入れたところ、離乳食アプリのスケジュール通りに進めたほうが、メニューを考える手間が省けて私にはやりやすいように感じた。メニューが多彩なので、ベビーフードにはない種類の食材も多く、私は手作りをするようになっていた。

 アプリは毎日のメニューが載っていて、この通りに進めればその月齢で食べられないものを食べさせてしまうような間違いもなく安全だ。

 それに離乳食について調べても「赤ちゃんの様子を見ながら進めていく」という曖昧な表現がある。私はASDの診断は下りていないが、曖昧な指示が苦手なASD特性のある人でも、「この日はこれ」と決められていると進めやすそうだ。

 しかし、このアプリには発達障害の特性がある人ならではの落とし穴があった。私は発達障害由来のゼロヒャク思考(白か黒かと極端に考えてしまう認知のゆがみ。完璧主義に近い思考)があるため、グレーゾーンの「ほどほどに」という思考が難しいことが多い。

助産師さんの一言で「頑張りすぎ」に気づいた

 寸分違わず、離乳食アプリの通りに進めていたのだが、これが頑張りすぎたと気づいたのは、産後ケアの際だった。産後ケアとは産後、助産師や看護師から母体や心のケアや育児のアドバイスを受けられるサービスで、2021年から市区町村の努力義務となっている。助産師さんから離乳食についてもアドバイスをもらえるとのことで、助産院に離乳食を持参した。この日のメニューは炭水化物がじゃがいも、タンパク質がしらす、ビタミンがほうれん草とキャベツ。


 すると、助産師さんから品数が多くてとても頑張っていると言われた。食べさせ方のコツを伝授してもらっているときも、助産師さんは息子に「ママが頑張って作ってくれたんだね」と優しく話しかけながら食べさせていた。

「疲れている日は冷凍ミックスベジタブルのお粥にしちゃっていいんですよ。ミックスベジタブルなら大人もスープにできますし。基本的にアレルギーがあるものはタンパク質なので、病院に行けないような日に新食材のタンパク質を与えなければ大丈夫ですし、乳児が絶対に食べちゃいけないものは蜂蜜くらいです」

 そう言ってもらえて、自分が疲れていることに気づいた。メニューは少しくらい変更してもいいし、冷蔵庫内の在庫状況に合わせて進めてもいい。翌日のメニューには豆腐が含まれていたが、うっかりしていて豆腐を買っていなかった。今までは翌日のメニューにない食材は急遽買いに行っていたが、この日は豆腐の代わりのタンパク質としてしらすに変更した。

 また、冷凍保存していたブロッコリーを使い切ってしまいたかったため、アプリのメニューにはないがブロッコリーを食べさせた日もあった。このように、アプリのとおりのメニューにしなくても息子にはなんの影響もない。

友人の「適当育児」にびっくりするも……

 第二子育児中の友達の家に遊びに行ったときも離乳食の新たな考えを知って衝撃を受けた。

 特に卵はアレルギーが出やすいので慎重に進めるつもりだった。卵を20分のかた茹でにして、白身にアレルゲンが多く含まれるので黄身に付着しないよう白身をくるくる回すようにして包丁で切り、白身と黄身を分解させたら、卵黄の真ん中部分から耳かき1杯分だけ取り出して与え、残りを小分けしてグラム数別に冷凍保存……。
という、離乳食の本やインスタの育児動画で見た作業が面倒くさすぎて、黄身をドライフードにしたベビーフード「pakupa」を購入する予定だった。

 でも、アカチャンホンポでしか売っていないのと、近所にアカチャンホンポがないのでオンライン購入となると送料がかかる。

 そんな相談をしたら、友人はなんと卵ボーロで進めたらしい。私が離乳食アプリの通りに進めていることを言うと、アプリの画面を見ながら「こんなん気が狂いそう! 鮭やわかめが入っているベビーフードのお粥やうどんで大丈夫だよ~」と言われた。

「いくつも具材が入っているお粥やうどんだとアレルギーになったとき、どの食材が原因かわからないのでは?」と聞くと、「そのときは翌日また食べさせて様子を見ればいいじゃん」と、あっけらかんと答えた。

 こんなに適当でもいいのかと、私が目を白黒させていると友達は続けた。

「アメリカに移住した友達があっちで育児してるんだけどさ、向こうだと離乳食はコストコのディナーロールをレンチンして柔らかくしたものなんだってさ」

 ディナーロールならお粥のように米から炊く必要もなく、ただ袋から出せばいいだけだ。たしかに日本の離乳食は世界一細かいと聞いたことはある。ディナーロールも小麦や卵、乳製品などのアレルゲンが含まれているが、ここまでざっくりと進めちゃっても大丈夫なのか……?

離乳食は完璧を目指すと疲弊する

37歳で計画外の妊娠をした私が「友達のテキトー育児」に衝撃!“私を苦しめていたもの”に気付かされた話
2回食になり夕飯は夫担当
 さすがに卵ボーロは心配だなぁと思い検索したところ、卵ボーロ治療(卵成分が含まれるボーロを少量ずつ食べて、少しずつ体に慣らしていくアレルギー治療法)について紹介している小児科のページが何件かヒットした。ただ、卵ボーロは黄身だけではなくアレルゲンを多く含む卵白も入った全卵を使っているため、初めての卵として与えるのは安全とは言い切れない。

 もっと調べると、卵ボーロに含まれる卵の量は少量なので、少量ならアレルギーが出ないこともあるが、しっかりした量を食べるとアレルギーが出てしまう場合もあるらしい。少量なら大丈夫だろうと思い、とりあえず卵ボーロ1粒から始めて現在4粒までクリアしている。


 ただ、卵ボーロで卵を進める方法はあまり人に勧められるものではない。たまたま友人の子や息子は卵ボーロを食べても大丈夫だっただけだ。 
 
 離乳食はいろんなやり方があるので、どんな方法でやるかは本当に人それぞれだ。細かいことを気にしたり完璧主義の特性があったりする人にとって、どこかで折り合いをつけなければ疲弊してしまう。私は第一弾の折り合いはアプリのメニュー通りにしなくてもいいこと、そしてこれから卵と折り合いをつける。

 今後も育児のタスクが変わっていくなかで、また別の折り合いが必要になってくるだろう。そのときも友人や専門家に相談しながら、仕事と育児、そして自分の発達特性に向き合って息子と共に成長していきたい。

<文/姫野桂>

【姫野桂】
フリーライター。1987年生まれ。著書に『発達障害グレーゾーン』、『私たちは生きづらさを抱えている』、『「生きづらさ」解消ライフハック』がある。Twitter:@himeno_kei
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