40歳を超えてから、スタートアップ企業「令和トラベル」に転職。
第40回は、令和トラベルが発表した「2026年春の海外旅行動向」の調査結果をもとに、「2026年春の賢い旅」についてお届けします。
2026年春の海外旅行、今時の賢い旅スタイルとは?
各地で桜の開花宣言が発表され、2026年もすっかり春めいてきました。卒業シーズンもひと段落し、ゴールデンウィークの旅行計画を立て始めている方も多いのではないでしょうか。一方で、ニュースを開けば目に入るのは「円安」や「物価高」というキーワード。さらに不安定な世界情勢もあり、「今年の海外旅行はちょっと様子見かも」と感じている人も少なくないはずです。
そんな中、令和トラベルが運営する旅行アプリ「NEWT」は、2026年3月1日~4月30日の予約状況をもとに、2026年春の海外旅行動向を分析。その調査結果から、いまどきの“賢い旅”のヒントが見えてきました。
今回は、その傾向をひもときながら、今の時代の旅行の楽しみ方について考えてみたいと思います。
2人に1人が韓国へ。ベトナムが急成長
続く2位は台湾(22%)。そして今回、特に注目したいのが3位のベトナムです。ここにきて、ベトナムを選ぶ人が大きく増えています。
ベトナム人気の背景には、「近い・安い」だけではない理由があります。今年の旅のトレンドをひと言で表すなら、「円安を前提に、旅を最適化している」ということ。
つまり、「高いから海外はやめる」のではなく、「この状況でどう動けば、最も満足度の高い旅ができるか」を考える。そんなふうに、旅行を“ゲームのように楽しむ”人が増えているのが印象的です。
その象徴ともいえるのが、いま急成長しているベトナム。2025年のシェアは1.8%と決して高くはなかったものの、2026年は3%以上へと大きく伸長。数字からも、その勢いがはっきりと見て取れます。
なぜ、今ベトナムなのか
その答えは、「一石三鳥」の満足度にあります。たとえば、私自身も訪れて魅了されたダナン。美しいビーチが広がる一方で、車で30分ほどの距離には世界遺産のホイアンがあり、まったく異なる魅力を一度に楽しむことができます。
しかも、ダナンからホイアンまでは配車アプリ「Grab」を使えば、かなり安くすみます。私が訪れた当時は、2000円以内で移動できました。気軽にエリアをまたいで楽しめるのもベトナムの大きな魅力です。
さらに、現地の物価が比較的安いため、食事やスパも“少し贅沢”に楽しめる。移動のストレスを最小限に抑えながら、体験の幅を最大化できるのが特徴です。
つまり、日本からのアクセスの良さに加え、現地での移動効率、そして体験の充実度。このすべてをバランスよく叶えられるのが、いまベトナムが選ばれている理由といえるでしょう。
中でもダナンは、直行便でアクセスでき、空港から市街地までもスムーズ。さらに、マッサージや食事も手頃な価格で楽しめます。
こうした背景から見えてくるのは、「タイパ(タイムパフォーマンス)」を意識した旅のスタイル。限られた時間と予算の中で、いかに満足度を最大化するか——それが、いまの“賢い旅”の選び方なのかもしれません。
顔ぶれにも変化が。賢い旅を選ぶのは40代50代
かつての若い頃のように、ガイドブック片手に一日中歩き回る体力勝負の旅ではなく、直行便で効率よく移動し、その分の余裕を現地での滞在に充てる。たとえば、浮いた予算でワンランク上のホテルに泊まるといった選択です。
実際に、旅行アプリ「NEWT」の利用者の中でも、こうした“効率よく移動し、現地で贅沢に過ごす”スタイルを選ぶ人が増えているようなんです。
背景にあるのは、「モノより体験」という価値観のシフト。単に観光地を巡るのではなく、現地でどんな時間を過ごすのか、どんな体験をするのかに重きを置く“体験消費”へと移行しています。
効率はよく、でも中身は濃く——。
U29世代の「ゼロか100か」メリハリ消費戦略
一方で、10位にはフランスがランクイン。円安の影響で「ヨーロッパは手が届きにくい」と言われる中、あえてフランスを選ぶ層が存在しているのです。
ここに、若い世代ならではの旅のスタイルが見えてきます。
彼らは、いわば“0か100か”のメリハリ消費。韓国では、どこで買うのが一番安いのかを徹底的に調べ、1円単位でコストを最適化する。一方で、「一生に一度は本物を見たい」という体験には、しっかりとお金をかける。
円安という逆風さえも前提に、「どうせ高いなら、本当に行きたい場所へ行く」という一点集中型の選択です。
「円安だから無理」と考えがちな大人世代に対して、U29世代は、その制約すら楽しむような潔さがある。その姿勢には、どこか頼もしさを感じると同時に、見習いたくなるものがあります。
彼らが、街角のカフェで少し高めのコーヒーを飲みながら、「やっぱり来てよかった」と感じる——そんなパリでのひとときを想像すると、思わず背中を押したくなるのです。
旅の本質というのは、効率の先にある感動だと、改めて気づかされるきっかけとなりました。
制約の中で選び抜く自分にあった最適解の旅
韓国を選ぶ人もいれば、ベトナムを選ぶ人もいる。そして、「一生に一度のパリ」を選ぶ人もいる。それぞれに、それぞれの最適解がある時代です。
大切なのは、「どこに行くか」だけではなく、「どう旅するか」。限られた時間と予算の中で、自分にとっていちばん満足度の高い選択を見つけていくことなのかもしれません。
私もまた、そんな一人ひとりの“最適な旅”に寄り添う存在でありたいと考えています。
ぜひ、今回の内容もヒントにしながら、春や夏の旅の計画を楽しんでみてください。旅は、計画している時間さえも楽しいものです。
自分にぴったりの旅を、見つけてみてくださいね。
<文/大木優紀>
【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母
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