タレント・俳優、エッセイストの青木さやかさん(52歳)が2025年11月14日、書籍『貯蓄が苦手な人こそ読んでほしいお金の第一歩 お金まわりを見直したら人生が変わった』(日経BP)を刊行しました。

「父の預金は4000円しかなかった」青木さやかが語る“両親の...の画像はこちら >>
 貯蓄が大の苦手だったという青木さんが、実際に行った節約術や投資の第一歩などを赤裸々に記した一冊です。


 それまで貯蓄・節約が苦手だった青木さんが書籍を出すにいたった背景や想いを聞くインタビュー後編では、お金については対照的だったご両親のこと、50代を生き抜くヒント、家族との今後のことなどを聞きました。

公務員だった亡き両親の、対照的な“お金まわり”

――本書には貯蓄が苦手だった青木さんが実際に行った節約術や投資の第一歩などについて書かれていますが、一方でこれまでの習慣があるので、たとえば買いたいモノが自由に買えないなどのストレスはありませんか?

青木さやか(以下、青木):最初は思いました。自分の収入や支出を改めて整理する中で、こんなこと、知るんじゃなかったって。知らなくていいことを知ってしまったと。とても心許なくなりましたが、同時に今までどうしてちゃんと貯めていなかったのだろうとも思いました。

今さら気づいても仕方がないと思いつつ、後悔も生まれましたし、みんな何にもわたしに教えてくれず貯めていたのかという、よくわからないけれど、「みんなずるい!」みたいな感情も出てきました(笑)。

――インタビューの前編では担当の税理士さんに「使いすぎ」と言われても意識はそれほど変わらなかったと言っていましたが、ほかに決定的な出来事があったということでしょうか?

青木:ある時、後輩に「青木さんいつもおごってくれますけど、僕のほうが資産ありますからね。しっかりしてください」って言われたことが大きかったですかね。それは、わたしのことを心配してくれての言葉だったのですが。

あと、わたしの両親はともに同い年の公務員で、同じ金額をずっともらってきていました。両親は離婚していて、父は67歳で、母は77歳で亡くなったのですが、母は株など数千万の遺産をわたしと弟に遺した一方で、父は4000円しかなかった。わたしは父に似ているんですよ。

「父も最期は不安だったと思う」

「父の預金は4000円しかなかった」青木さやかが語る“両親の正反対な最期”とは
青木さやかさん
――身近に対照的な例があったということ。

青木:いくら稼いだのかではなくて、お金の使い方が父親に似ているんです。
わたしは保護犬・保護猫の活動をしていますが、父もボランティア活動をしていました。ボランティア活動をするわ、お金がないわで、すごく似ていた(笑)。そんな父ですが、すごく楽しく生きているように見えました。

母はどこにも行かないし、テレビを観ながら「こんなとこ行けたらいいね」といつも言っていました。「行けばいいのに」と思っていましたが、結果的には母親に遺してもらってありがたいなと思うんです。父の生き方も素敵でしたけどね。

――こうして本にまとめることで人生の漠然としていたお金の不安が消えていくのはいいことですよね。

青木:そうなんです。少しですけど、それはすごくよかったと思います。若い頃から対策をしていて一生追いつけないなという人もいますけど、それはまあ仕方がない。ただ、わたしはまだ若いですし、娘はまだ高校生で、父よりも長く生きるかもしれないから、ちゃんと貯めておかないとまずいだろうと思います。父も最期は不安だったと思うんです。


――浪費のクセが株式などの投資のほうに移り、いいバランスを取れているのではないでしょうか?

青木:お金や株、投資も自分の人生の趣味に加わった感じはしています。だからお金の使い道がなくなったわけではないんです。美味しいレストランに行きたい欲求はありますし、それにプラスして母が遺してくれたものだけでなく、自分でも新たに株を買ってみたりしているという感じです。

さまざまなコミュニティを持つようにしている理由

「父の預金は4000円しかなかった」青木さやかが語る“両親の正反対な最期”とは
青木さやかさん
――動物愛護のボランティア活動だけでなく、好きな陶芸家さんの窯へ訪問されるなど、新しいコミュニティに積極的に入っていくイメージですが、それは50代に入られて意識的にしていることなのですか?

青木:そうですね。いろいろなコミュニティを持っていたほうがいいと思っています。芸能界だけにならないようにしたほうがいいかなと。わたしが芸能界で価値だと思っていることを、一切考えない人たちといると気がラクになります。それに、わたしはギャンブルに依存していた時期があるのですが、動物愛護に力を入れることでギャンブルにのめり込みすぎない努力もしています。

――芸能界以外のコミュニティにいることが大事なんですね。

青木:そうかもしれないですね。客観性も身に付くし、自分がどう見られているかも感じられるので。よかったと思います。知らない方のお話、面白いんですよね。
別のコミュニティに行けば、ギャンブルの話をする人はいない。だから誰と付き合うかがすごく大事なんです。

どこに身を置くかが本当に大事。わたしにとっては自助グループみたいな意味もあると思います。ボランティア活動はお金もかかるけれど、ギャンブルほどではないですし、いいことをしているからみんなほめてくれますし。

高校生の娘に「遺産の話」を

「父の預金は4000円しかなかった」青木さやかが語る“両親の正反対な最期”とは
『貯蓄が苦手な人こそ読んでほしいお金の第一歩 お金まわりを見直したら人生が変わった 』(日経BP)
――きっかけは自分のためではあるけれども、結果、世の中の役に立てていることは大きいですね。

青木:そうなんですよ。しかも、動物の命のことなのでともすれば熱くなりがちなんですけど、わたしは冷静に接してるのですごくいいと思うんです。ただ、やるからには詳しくなろうと思いますし、経験もありますから、それをアウトプットすると、すごくほめられますね。10何年やっていると人間のいろいろな面も見られるので、驚くこともありましたけど。

「父の預金は4000円しかなかった」青木さやかが語る“両親の正反対な最期”とは
青木さやかさん
――本書を出されたことで、家族間での変化はありましたか?

青木:高校生の娘に遺産をどう遺すかという話をしました。不動産で遺してほしいのかそれとも現金か、それとも違うものか。
たとえば不動産じゃないほうがいいとなった時は、あなたが30歳になる時にいくらかの現金を渡しますよと。それ以外はわたしが使い切ってしまうみたいな。

――遺産はもめるイメージがあるので、情報整理は大事かもしれないですね。

青木:お金の本を出すと、お金の話をいろいろな人とできるのでよかったなと思っています。みんなこんなふうに考えていたのかとか、締めるところは締めているなとか、もともと不労所得があったのかとか、一緒になってお金を使っていたらまずいな、とか。お金ないと言いながら、土地を持っていたんだ、とか(笑)。いろいろなことを学べてよかったです。

<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>

【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。

編集部おすすめ