(大阪、台北中央社)複数の日本メディアが5日、台湾の海洋調査船「新海研1号」が日本の排他的経済水域(EEZ)内で作業しているのを第10管区海上保安本部が確認したと報じた。これについて国家科学・技術委員会(国科会)は同日、新海研1号が作業を行ったのは台日の重複水域だとした上で、対話ルートを通じてすでに日本側と連絡を取り合っていると説明した。


共同通信やNHKなどは、海上保安本部が4日午後、鹿児島県・徳之島から西北西に約335キロ離れた日本のEEZ内で新海研1号がワイヤのようなものを海中に下ろしているのを確認し、日本の同意を得ていない調査だとして中止を要求したと伝えた。

国科会は新海研1号について、7月30日から8月10日にかけて東シナ海でプランクトンの生態調査を行っており、主に海水採取やプランクトンの採集をしていると説明。作業水域は海巡署(海上保安庁に相当)が定める「暫定執法線」の範囲内で、台日の重複水域だったとした。

また、航海中は海巡署の船が警備に当たり、日本側に対し、作業水域は台湾のEEZでもあるため研究船の作業を妨害しないよう伝達していたと述べた。台湾側はすでに台日間の海洋対話ルートを通じ、特定の科学テーマについて日本側との協力を望んでいると伝えたとし、今後も意思疎通を継続する考えを示した。

(戴雅真、張璦許、秩雄/編集:田中宏樹)
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