李代表は、人類史上初の原子爆弾投下について「日本で勉強や仕事をしていた多くの台湾人も被害を受けました」と指摘。「台湾の人々も広島での出来事をひとごととは思えず、心から共感しています」、「核兵器廃絶や世界恒久平和を訴える広島市の理念と目標に、台湾は深く賛同しています」と語った。
その上で、広島市が核兵器廃絶を目指して設立した平和首長会議には今年8月の時点で台北市、中部・台中市、南部・台南市、同・高雄市が加盟していることに言及。今後さらに多くの台湾の都市が加わることを期待していると話した。
さらに、台湾は「平和を大切にする国」で、「自由、民主主義といった価値観を共有する国々が団結し、侵略者の野望を抑えることが重要」と発言。「平和はかけがえのないものであり、戦争に勝者はいない」、「歴史の教訓を胸に、平和を大切にし、皆で力を合わせ、自由と民主主義を守るよう呼びかけます」と語った。
また中国が台湾に対する脅威を強め、軍事演習を頻繁に行っていることについては、民主主義の台湾と地域の平和と安定を守る決意があるとし、社会全体の防衛意識や自己防衛力を高めた上で、理念の近い民主主義の国と協力して、共に権威主義の拡張に対抗し、地域の平和と安全保障を守るために努力する必要があると主張した。
式典会場では、米国のジョージ・グラス駐日大使と握手を交わした李代表。初めて会ったとした上で、米国が一貫して台湾海峡の平和と安定に強い関心を示していることなどの感謝を伝えたと語った。グラス大使も「それは米国がすべきことだ」と応じたとした。
(楊明珠、戴雅真/編集:齊藤啓介)