(山口中央社)日本のコメ価格高騰を背景に、いずれも台北市に拠点を置くインド太平洋戦略シンクタンクや台日産経友好促進会などの代表者が、台湾産コメを山口県と石川県に寄贈するために訪日した。9日には山口県への贈呈式が同県庁で開かれた。


コメの贈呈はシンクタンクの矢板明夫執行長(CEO)が発起した。コメの品種は「台南11号」。安倍晋三元首相の故郷である山口県と、日本統治時代に台南など南部の水利事業に貢献した日本人技師、八田與一の出身地であり、昨年の能登半島地震で被災した石川県に、10トンずつが贈られた。

贈呈式に台湾側からは矢板氏や訪問団の団長を務める涂醒哲(とせいてつ)元衛生署長、台日産経友好促進会の葉建揚会長、台湾高座友の会(台湾高座之友会)会長で元立法委員(国会議員)の何敏豪氏らが出席。山口県の村岡嗣政県知事や柳居俊学県議会議長らと面会した。

涂氏はあいさつで、コメの贈呈によって、台湾の日本に対する長年の敬意や感謝を示すことができたと述べた。今回贈ったコメは日本から台湾に持ち込まれて改良された「蓬莱米」の一種であることなどに言及した上で、台日の友情がより深まり、それによってアジア太平洋地域の安全をさらに強固にできればと語った。

村岡氏は贈呈に心から感謝しているとした上で、県として微力ながら台湾と今後さらに頻繁に交流し、台湾と日本の関係がますます良好になることを望んでいると話した。

コメは山口県では学校給食として児童生徒に、石川県では能登地震の被災者に提供されるという。

(高華謙/編集:田中宏樹)
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