(ストックホルム・台北中央社)デンマーク紙のベルリングスケは14日、在デンマーク日本大使館が今年2月26日に開いた天皇誕生日を祝うレセプションで、中国の王雪峰大使が日本側に対し、台湾の鄭栄俊(ていえいしゅん)駐デンマーク代表(大使に相当)の退席を求めていたと報じた。外交部(外務省)は15日、この行為を強く非難するとし、中国の攻撃的な「戦狼(せんろう)外交」は世界的な民主主義社会における文明的な素養に反すると批判した。


報道によれば、日本側が台湾の代表を招待したことに対し、王氏は極めて敬意を欠いた方法で不満を表明。会場に居合わせた各国の代表や外交関係者が目撃したという。

鄭代表は中央社の取材に対し、食事の準備中、王氏が会場の規定に反して携帯電話のカメラを鄭代表に向けているのを代表夫人が発見。王氏と同行の秘書が鄭代表を確認すると、日本側の職員に抗議したと話した。

また中国側の態度は礼儀を欠いており、日本側が要求を拒むと、王氏は激怒して会場を後にしたという。離席の際には鄭代表を指さし、威圧的な態度を示したと語った。

これまでメディアに公言していなかったことについては、日本側に迷惑をかけたくなかったと説明。目撃者が多く、デンマークの外交界では秘密ではなくなっていると述べた。

外交部は、中国の外交官が台湾と他国の正常な交流を粗暴かつ卑劣な手段で妨害しようとする戦狼外交のやり方は、祝賀会主催者を全く尊重していないばかりか、国際的な場における基本的な礼儀を無視していると強調。国際社会に対し、中国のいじめのような言論や劣悪な行為を非難し、拒否するよう呼びかけた。

(辜泳秝、游凱翔/編集:齊藤啓介)
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