大会には政府関係者として総統諮問機関・国家安全会議の呉釗燮(ごしょうしょう)秘書長や鄭英耀(ていえいよう)教育部長(教育相)らが出席。日本側は、対台湾窓口機関・日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(大使に相当)の他、甘利明元経済再生担当相や西村康稔元経済産業相、萩生田光一衆院議員が参加した。
頼総統はあいさつで、安倍氏は台湾の友人だとし、2016年の台湾南部地震の際には職員5人を被災地に派遣して必要な支援を確認した他、18年の花蓮地震では励ましの映像を公開したと言及。新型コロナウイルス流行時の台湾へのワクチン提供や、中国が禁輸措置を取ったために台湾産パイナップルが供給過剰となった際、安倍氏が自らPRして支援したことなどにも触れた。
また、安倍氏が21年に「台湾有事は日本有事だ。すなわち日米同盟の有事でもある」と発言したことが、台日関係の深化を大きく後押ししたと指摘。中国が軍事拡張を行う中で戦火を見ずに平穏を享受できているのは、安倍氏の高い先見性のおかげだと語った。
昭恵さんは、安倍氏が第1次政権を終えた後に台湾を訪問し、李登輝(りとうき)元総統に会った際、李氏から「もう一度総理大臣を目指して、日本のために頑張るように」と伝えられたとのエピソードを明かした。さらに第2次政権の後、訪台の計画を立てていた矢先に亡くなってしまい、無念だったと語った。
(游凱翔/編集:田中宏樹)