同イベントは国連総会一般討論演説の開催に合わせ、国連本部外で毎年開かれている。世界のリーダーやトップ企業が参加し、世界と地域の挑戦に対して解決策を探る場となっている。中華民国(台湾)総統は2022年以来毎年、同イベントでビデオ演説を発表している。
頼総統は、今年の国連総会が「共にあることで、より良くなれる」をテーマに掲げていることに触れ、このテーマは人類が第2次世界大戦終結からの80年来、団結によって大戦のもやから抜け出し、平和、発展、人権を中核とした国際秩序を構築したことを改めて思い起こさせていると言及。
一方で、現在の激動の国際情勢や高まる地政学的リスク、権威主義勢力の集結と拡張、偽情報や外部からの干渉による民主主義社会への侵食を指摘し、「これらの挑戦は複雑で多元的であり、独自に対処できる国は一つもない。団結、協力のみでこそ、危機を取り除くことができ、民主主義のパートナー関係の深化によってこそ、恒久の平和を維持し、繁栄して安定した世界を共に構築できるということがより一層浮き彫りになった」と述べた。
また、台湾は中国の防衛ライン「第1列島線」の前線に位置し、権威主義政権の脅威に直面していると現状を改めて説明し、不確かな時代を前に、「台湾は引き続き世界平和のかじ取り役と世界繁栄の立役者を担い、積極的な戦略と確かな信念で世界と手を取り、共に進んでいく」と強調した。
同イベントは21日に始まった。24日に閉会した。
(温貴香/編集:名切千絵)