(台北中央社)経済部(経済省)は29日、中国産のビールや一部鋼材を対象に実施した反ダンピング(不当廉売)関税調査結果について貿易救済審議会で審議し、国内産業が実質的な損害を受けたと認定した。認定結果は今後、財政部(財務省)に通知され、関税税率審議グループが反ダンピング関税の要否を判断する。


反ダンピング関税は、輸出国の国内価格よりも低い価格による輸出で、輸入国の国内産業に被害を与えている場合に課す。今回は中国産ビールと特定の熱間圧延平鋼を対象に調査した。

経済部国際貿易署は、中国製熱間圧延平鋼の輸入は調査期間の2021年から25年6月までに年々大幅に増加し、値段が下落を続けていると指摘。国産品は低価格競争を余儀なくされ、原価に満たない価格での販売で対抗するケースも生じているものの、顧客の流出を食い止められず、国内販売量と市場占有率は低下し続け、生産、利益、雇用人数といった重要な経済指標はいずれも下降傾向にあると説明した。

また、中国産ビールについても同様に、同期間での輸入量の増加や価格の低さを挙げ、国産品の国内販売量と市場占有率の低下で国内産業の利益悪化や雇用者数の減少が招かれたと指摘した。

台湾は現在、中国のオフセット印刷版や特定のアルミ箔、ステンレス冷延鋼材、毛布など8品目に反ダンピング関税を課している。中国も台湾製のアセトンやナイロン6などに反ダンピング関税を課している。

(曽智怡/編集:名切千絵)
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