(台北中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は25日、米インテルに営業秘密や機密情報を漏えいした疑いがあるとして、羅唯仁元シニア・バイス・プレジデントを知的財産・商業法院(裁判所)に提訴したと発表した。TSMCによれば、羅氏は退職後、インテルに移籍し、エグゼクティブ・バイス・プレジデントに就任した。


羅氏は7月27日にTSMCを退職。在職中には秘密保持契約や退職後の競合他社への転職を禁じる誓約書、退職後には競争相手とならないと承諾する同意書に署名していた。TSMCは、羅氏は退職前に法務責任者と面談した際、退職後には学術機関に身を置くと答え、インテルへの移籍については明かしていなかったとした。

訴訟はTSMCが羅氏との間で結んだ雇用契約や競合避止に関する誓約書、営業秘密法に基づくものだと説明。TSMCには損害賠償請求を含む法的措置を講じる必要があるとした。

羅氏を巡っては、台湾高等検察署(高検)知的財産検察分署も18日までに、機密情報持ち出しの疑いで調査を開始している。

(鍾栄峰/編集:名切千絵)
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