(東京中央社)先月28日に開幕した「横浜国際舞台芸術ミーティング2025」(YPAM2025)のYPAMショーケースで、台湾のアーティスト3人が共同制作した二部作「等晶播種」「浪のしたにも都のさぶらふぞ」が上映される。文化部(文化省)駐日台湾文化センターがYPAMと協力した。
日本統治時代の台湾における砂糖産業を起点に、台湾と日本の関係や近代化の記憶をたどる。

作品を手掛けたのはシュウ・ジャウェイ(許家維)さんとチャン・ティントン(張碩尹)さん、チェン・シェンユゥ(鄭先喻)さん。

「等晶播種」は日本統治時代に中部・雲林県虎尾に建てられた製糖工場を舞台に、伝統的人形劇「布袋戲」(ポテヒ)の語りの手法を用いて戦争、産業、近代化の記憶を浮かび上がらせる映像インスタレーション。「浪の~」は福岡県門司に建てられた製糖工場を舞台に、人形浄瑠璃、VR(仮想現実)、モーションキャプチャーの「操る/操られる」原理を歴史の動力に見立て、台湾・日本の近代史を再訪する映像インスタレーション・パフォーマンス。山口情報芸術センター(YCAM)とコラボレーションした。

文化部は、台湾の作品がYPAMに招待されたことは、台湾の映像や舞台芸術がアジアの重要な舞台で高く評価されている証しだとし、今後も台湾の芸術家や団体の国際展開を支援し、台日の文化交流を深化させていく姿勢を示した。

ショーケースでは台湾のコンテンポラリーダンスカンパニー「クラウド・ゲイト・ダンスシアター」(雲門舞集)とメディアアーティストの真鍋大度さんがコラボレーションした「WAVES」も上演される。

この他、YPAMでは台湾関連として、周東彦さんのXR(クロスリアリティー)作品「霧を抜けた先に」やVR作品「霧中─イン・ザ・ミスト」、台湾出身の電子音楽家でDJのリ・ツメイ(李慈湄)さんが参加する「フェラルフェラス」の舞台「C/響計画:私の心はどこですか」が上映・上演される。

「YPAMディレクション」では、スー・ピンウェン(蘇品文)さんのプロジェクト「長男」のプレゼンテーションとディスカッションが行われる。

14日まで。

(戴雅真/編集:名切千絵)
編集部おすすめ