主計総処によれば、分配面のGDPから見た際、昨年の営業余剰は前年比16.29%増、雇用者報酬は同7.27%増で、雇用者報酬の伸びは過去27年間で最も大きかった。
蔡氏は、企業がすでに利益を従業員と共有していることが数字から読み取れると言及。ただ、営業余剰の全てを雇用者報酬に配分することは不可能で、将来の投資に充てる資金として一定部分を留保する必要があると述べた。
雇用者報酬の対GDP比の低下から、所得分布の悪化や、経済成長の成果が市民に行き渡っていないのではと指摘する声もある。これについて蔡氏は、そのように解釈すべきではないとした。理由の一つとして、現在、経済成長に大きく寄与しているのは主に、資本や技術への資金投入が大きく、雇用者報酬の比率が低い電子・情報通信産業であることを挙げた。
また、実務上は営業余剰の一部が配当として株主に還元される他、企業が納めた税金を政府が補助金などで再分配していると説明した。
シンクタンク、中華経済研究院の王健全副院長は、マクロ経済の成長の裏にある経済の二極化の問題も無視すべきではないと指摘。電子・情報通信産業よりも雇用人数が多い既存産業は、中国の過剰生産能力や為替、関税などの問題に挟みうちにされ、経営が困難になるとした上で、適切なタイミングでの支援がなければ、これらの産業の不況が労働市場に波及し、消費者心理にも影響を及ぼすだろうと語った。
(潘姿羽/編集:田中宏樹)








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