(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は15日、立法院(国会)で可決された財政収支配分法(財政収支画分法)改正案の施行を拒む姿勢を示した卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)の決定を支持すると表明した。立法院に対し「国家を傷つけ、憲法の精神に反する問題ある法案を即時撤回せよ」と求めた。


事前録画のビデオ形式で談話を発表した。

同法は中央と地方政府の財政収支配分を決めるもので、先月14日に立法院で可決された改正案には地方への配分を高める内容が盛り込まれた。

行政院は、地方への補助金財源の調整や支援能力への影響、当該年度の借り入れ限度の超過を理由に「実施が困難」だとして立法院に再議(審議のやり直し)案を申し立てたが、立法院は今月5日、再議案を野党の反対多数で否決。これを受け、卓氏は15日、改正法の公布に必要な副署(連署)を行わないと発表した。

頼総統は、立法院が強行可決した改正案は憲法上の権力分立や国家財政、国民の権益のいずれにも重大で即時の損害をもたらすと指摘。憲法追加条文に基づき、憲法法廷が合憲だと判断した範囲内で、立法院で国情報告を行う意思を改めて示した。

(葉素萍/編集:名切千絵)
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