WHOは2030年までの「ウイルス性肝炎撲滅」を掲げている。C型肝炎撲滅の認証基準としてゴールド、シルバー、ブロンズの3階級があり、ゴールドでは診断率(感染者のうち診断を受けた人の割合)80%以上、治療率(診断された人のうち治療を受けた人の割合)70%以上などの数値基準が設定されている。
同部国民健康署の沈静芬(ちんせいふん)署長は会見で、台湾でのC型肝炎診断率は90.2%、治療率は90.6%に達していると説明。注射薬物使用者への注射針配布数は1人当たり150本を超え、輸血用血液製剤や医療注射の安全率はいずれも100%を維持していると述べた。
沈氏は、目標達成後も30年までにさらにC型肝炎の発症率とB型、C型肝炎の死亡率を下げるため、検査や啓発活動の強化を継続して行うとの考えを示した。
同部の荘人祥(そうじんしょう)常務次長はWHOへの申請の際には「チャイニーズタイペイ」名義を使用すると言及。WHOに加盟している中国からの妨害は避けられないものの、必ず積極的に働きかけるとした。台湾がWHOに加盟していないため申請が受理されない可能性について、沈氏は可能性はあるとの見方を示した上で、受理の有無にかかわらず台湾の成果を学術誌に掲載すると話した。
▽ 医師出身の頼清徳総統「新たなマイルストーンに」 対策の歴史振り返る
会見には頼清徳(らいせいとく)総統も出席し、台湾が今年、世界の公衆衛生史に残る新たなマイルストーンを築ける見通しだと述べた。自身が現役の医師だった頃はC型肝炎の薬は効果が十分でなく、副作用も非常に強かったとし、政界入り後も一貫してC型肝炎対策に関心を寄せてきたと語った。
16年に政府がWHOの呼びかけに応じてC型肝炎排除に向けた取り組みを重視するようになり、17年には内服薬「DAA」を保険適用とし、流行を抑制したと振り返った。感染が多い地域や山地、離島、矯正施設ではそれぞれのニーズに合わせたC型肝炎対策を講じてきたとした。
頼総統はさらに、健康は基本的人権かつ普遍的な価値であり、一国の国民の福祉にとどまらず、全人類の生存と発展に関わる問題だと強調。台湾は国際社会の責任ある一員として、近年の世界的な感染症の試練において、世界各国と医療物資や技術、経験を共有し、世界の公衆衛生システムに貢献し続けていると話した。
(陳婕翎/編集:田中宏樹)








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