(台北中央社)数位発展部(デジタル発展省)は17日、スマートフォン一つで本人証明が可能になる「デジタル証明ウォレット」(数位憑証皮夾)の試験運用を開始すると発表した。コンビニエンスストアでの荷物受け取りなどで先行導入する。


同部によれば、証明書や会員証などを利用者が必要に応じて同ウォレットに加えることで、スマートフォンで簡単な操作をするだけで本人確認手続きを完了することができる。将来的には民間サービスだけでなく、行政手続きにも導入する。本人証明に関連する各種サービスを一つのアプリにまとめることで、生活者の利便性を高める狙いがある。

林宜敬(りんぎけい)数位発展部長(デジタル発展相)は記者会見で、同ウォレットの重要な特色は、個人情報を選択して開示できる点だと説明。コンビニで荷物の受け取りをする際、身分証を提示するという従来の形式では、本人の氏名だけでなく、住所や両親の氏名といった個人情報も見られてしまう危険性があることに触れ、同ウォレット利用による個人情報保護上のメリットを説明した。

安全性については、政府のデータベースに情報を保存するのではなく、全てのデータが端末側に保存されることや、証明の発行データは発行元のみが把握する仕組みを挙げ、個人情報が外部に漏れる恐れはないと強調した。

利用にはアプリのダウンロードが必要。利用者登録とスマートフォン認証を済ませた上で、ウォレットに登録したい証明サービスを選択して申請することで、利用可能になる。現時点では中華電信、台湾大哥大、遠伝電信の通信大手3社の「電話番号電子カード」(門号電子卡)のみ申請できる。

同ウォレットを利用したコンビニ荷物受け取りは、台湾全土のファミリーマート(全家便利商店)では17日から、セブン-イレブン(統一超商)では24日から可能になる。ウォレットに証明サービスを登録した上で、QRコードを店員に提示すれば、荷物が受け取れる。

今後、入退管理や求職、レンタカー、来訪者管理、モバイル申請などの場面で、関連企業と協力して先行導入していくとした。


(趙敏雅/編集:名切千絵)
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