(新北中央社)北部・新北市の十三行博物館で23日、水中考古学に関する常設展が始まった。沈没船の積載物などを通じて、歴史的背景や物語をひもとく。


展示品には1892年に台湾海峡で沈没した英国汽船の積載物も含まれる。提供した文化部(文化省)文化資産局の陳済民局長はあいさつで、倉庫に保管したままではがらくただが、展示されることによって宝物になるとし、公開を通じて黄金のようになってほしいと期待を寄せた。

水中考古研究チームを率いる黄漢彰さんは約20年にわたり澎湖や馬祖、金門など台湾周辺の海域で行われている調査について、歴史資料などから遺跡の位置を確認した上で捜索を行い、撮影や測量の他、沈没船や発見された品々を分析し、歴史的背景を解明すると説明。沈没船は海底に保存されたタイムカプセルだと述べた。

会場にはカフェが併設されており、コーヒーを味わいながら展示品を鑑賞できる。関係者は、内壁には台湾の天然色素が用いられ、文化層をイメージしたデザインは時間と文化の蓄積と沈殿を表現したと説明。リサイクルした建材なども使われているという。

新北市政府文化局の張䕒育局長は、博物館が歴史を見届ける場であるだけでなく、持続可能な生活美学のモデルとなる拠点であることを象徴していると語った。

(曹亜沿/編集:齊藤啓介)
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