(台北中央社)台北市の台北メトロ(MRT)市政府駅で26日午後、無差別襲撃を想定した対処訓練が実施された。視察した蔣万安(しょうばんあん)台北市長は、来年にも訓練を複数回行うとし、関係者らに対し安全確保に尽力するよう求めた。


市内では19日、無差別襲撃事件が起き、14人が死傷した。蒋市長は国民全体の防衛意識を高める重要性が浮き彫りになったとして訓練の実施を要請。台北メトロが計画し、26日午後1時から行われた。

訓練では犯人2人が市政府駅のホームで火炎瓶を投げ、重軽傷者が多数発生し、その後隣接するバスターミナルの窓口で無差別襲撃を行ったと想定した。警察が犯人を制圧する一方、駅の出口付近では負傷者の救助対応が行われた。

蒋市長は訓練後、目的は市民の安全を確保して現在の予防策と対応メカニズムを全面的に見直し、改善点を洗い出すことだと説明。極めて短い時間内で訓練を計画し、周辺地域に限定して送信した訓練実施を知らせるアラートも有効的に機能したとして、関係者の対応を高く評価した。

また台北市では数万人が集まる年越しイベントを含む大型イベントの開催が予定されているとし、消防や警察関係者に対し、市民の安全と安心を守る責任を引き続き果たすよう求めた。

(陳昱婷/編集:齊藤啓介)
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