(台北中央社)国防部(国防省)は29日、中国人民解放軍が台湾周辺で「正義使命2025」と題した軍事演習を始めたことを受けて記者会見を開き、同日午後3時までに中国の軍用機延べ89機と軍艦14隻、海警船14隻が台湾海峡周辺・離島周辺で活動しているのを確認したと発表した。

軍事演習は、中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区が同日朝に実施を発表。
30日には台湾を取り囲む海域と空域で重要な軍事演習を実施し、実弾射撃演習も行うとしている。

国防部参謀本部情報・参謀次長室次長の謝日升中将によれば、軍用機には主力戦闘機や補助戦闘機、無人機が含まれる。軍用機のうち延べ67機は、台湾が定める警戒区域「応変区」に進入した。海警船のうち4隻は離島・連江県馬祖と金門県烏坵の周辺で確認した。

他に、水陸両用強襲揚陸艦4隻が西太平洋一帯で活動しているのも確認した。

中国側は、30日の演習区域として7カ所を公表している。謝中将は、中国軍が同日午前9時から11時にかけ、東部海域に8カ所目の演習区域を開設するとの情報を把握していると明かした。

他国の軍用機が台湾海峡周辺で活動したかについて、謝中将は「あった」とした上で、国際航路上では多数の航空機が行き交っているため、機体の国籍や行動について詳しくは説明できないと述べた。

国防部政務オフィス主任で報道官の孫立方中将は、中国共産党がインド太平洋地域で最近行っている軍事行動やグレーゾーンでのかく乱、その他の認知操作は、すでに地域の平和と安定を深刻に脅かしていると非難。この状況を受け、国軍は直ちに対策センターを設置し、全体の戦備規定に基づいて適切に兵力を派遣し対応していると説明した。

(游凱翔/編集:田中宏樹)
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