(台北中央社)中国人民解放軍が台湾周辺で軍事演習を実施しているのを受け、国防部(国防省)は29日午後に開いた記者会見で、演習区域内に台湾の領海が含まれていることに触れた上で、最前線部隊に交戦規定(ROE)にのっとり対処するよう権限を与えるとの方針を示した。

中国軍東部戦区は29日午前、「正義使命2025」と題した台湾を包囲する形での軍事演習の開始を発表。
30日には午前8時から午後6時まで、台湾を取り囲む海域と空域で実弾射撃演習を実施する。

会見に出席した国防部参謀本部情報参謀次長室次長の謝日升中将は、発表された演習区域には台湾が定める基線から12カイリ(約22キロ)の領海が含まれていることに言及し、 中国の意図は明白だと指摘した。

中国軍が領海に侵入した場合の対処について、作戦・計画参謀次長室次長の連志威中将は、国連憲章第51条に基づき、主権国家は武力攻撃を受けた際に自衛権を行使できると言及。交戦規定などにのっとり、通報、排除、監視、追跡などの対応を取ると述べた。

連氏は、最前線部隊には敵の脅威の程度に応じ、対処の権限を与えるとし、最前線部隊には海軍第62任務部隊、空軍作戦指揮部、各作戦区が含まれると説明。陸海空3軍の戦備部隊を統制して、戦備パトロールや艦艇・軍機への対応を実施し、必要な措置を取るとの姿勢を示した。

中国側は、30日の演習区域として7カ所を公表。国防部は中国軍が東部海域に8カ所目の演習区域を開設するとの情報を把握している。

(游凱翔 /編集:楊千慧)
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