(台南中央社)台湾語研究の先駆者や台湾独立運動家として知られる王育徳(おういくとく)を紹介する南部・台南市の王育徳記念館が30日、公開を再開する。昨年8月から実施していたリニューアルを終えた。


同市政府文化局の黄雅玲局長は26日、報道資料を通じ、同記念館は2018年の開館以来、王の精神を中心として研究や展示、教育普及を結び付けた運営を行っていると説明。リニューアルでは展示設備の改善や資料の修復などの他、王の台南での生活を紹介する展示も新たに加わったと紹介した。

また、言語の平等や人権教育、市民参加を主軸にした取り組みを引き続き進めると言及。開催3年目になる若者を対象にした講座・ワークショップでは、異なる分野のアーティストや活動家を招いて主に台湾語による交流や対話を行っており、母語や公共的な議題に対する社会の関心を深めていると語った。

開館は午前9時から午後5時までで、毎週月、火曜は休館。同局から提供された写真によると、展示には日本語での解説も取り入れられている。

▽王育徳

1924(大正13)年、日本統治下の台南生まれ。43(昭和18)年、東京大学に進むも、戦争が激化したため台湾に戻った。戦後、当時の国民党政権が市民を弾圧した「2・28事件」で兄が犠牲になると、香港を経由して日本に亡命。再び東京大で学び、初めて台湾語研究で博士号を取得した台湾人となった。明治大学や東京外国語大学などで教鞭を執ったほか、台湾人日本兵の補償問題にも取り組んだ。帰郷はかなわず、85年に東京で亡くなった。


(楊思瑞/編集:田中宏樹)
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