(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は13日、国家安全ハイレベル会合後に記者会見を開き、台湾と米国が締結した「対等貿易協定」について、米国との自由貿易協定(FTA)未締結によって生じていた貿易面での劣勢を覆し、台湾の産業の競争力向上に寄与するものだと強調した。また、台湾の産業の構造的課題に対応するため、総統府主導で「国家経済戦略指導グループ」を立ち上げると発表した。
頼総統自身が座長を務める。

台湾と米国は米東部時間12日、台米対等貿易協定に署名した。台湾は、相互関税を15%に引き下げ、最恵国待遇(MFN)税率に上乗せしないことや、通商拡大法232条に基づく関税での最優遇措置、2072品目への相互関税免除などを勝ち取った。相互関税免除の品目を含めると、台湾の対米輸出の平均関税率は12.33%に引き下げられることになる。

一方で、台湾は米国に対し、農産品1482品目、乗用車を含む工業製品4885品目への関税をゼロとする他、連邦自動車安全基準(FMVSS)に準拠した米国規格車両の輸入数量制限を撤廃する。

協定締結により、自動車など一部産業は打撃を受ける可能性がある。頼総統は、米関税措置への対応として輸出サプライチェーン(供給網)支援のために計上した930億台湾元(約4500億円)は削減せず、200億元(約980億円)の予備費は産業アップグレードや競争力の向上に充てると説明。また、経済部(経済省)が強靭(きょうじん)性特別予算に計上した460億元(約2250億円)で中小企業への追加融資や研究開発・転換への支援などを行うとした。農業分野では、農業部(農業省)が強靭性特別予算を拡充する形で300億元(約1470億円)規模の農業安全基金を立ち上げ、農業のアップグレードや転換を全方位で支持するとした。

新たに設置する「国家経済戦略指導グループ」では、総統府と行政院(内閣)が役割を分担する形で、産業の構造的課題を処理する。中長期の経済成長と産業構造の調整に体系的に取り組み、台湾経済を新たな境地に押し上げることを目指す。

(頼于榛/編集:名切千絵)
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