(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は22日、原子力発電所の再稼働検討とグリーンエネルギーの推進は両立可能だとの考えを示した。頼総統は21日、台湾電力(台電)第2原発(北部・新北市)と同第3原発(南部・屏東県)について、台電が再稼働に向けた準備を始めていると明らかにしていた。


頼総統は報道陣の取材に対し、台湾は昨年5月に第3原発2号機が運転停止して「原発ゼロ」になって以降も、電力の需要に対する供給余力を示す予備率は10%前後、もしくはそれ以上を推移しており、電力供給は安定していると説明。一方で経済発展や人工知能(AI)時代に対応するための必要電力の増加、気候変動への対応、地政学的変化などを踏まえ「エネルギーの強靱(きょうじん)性」を備える必要があると話した。

その上で、再稼働の可否は核能安全委員会(原子力安全委員会)の審査によるとし、安全性の確保に加え、放射性廃棄物の処理に道筋が付いているなど、社会的な合意が条件になると説明した。

与党・民進党は、創立時から一貫して原発ゼロの政策を取ってきた。党内の一部から政策を転換したのではとの疑問が出ていることへの見方を記者から問われると、頼総統は、昨年5月に第3原発2号機が停止し、原発ゼロの目標はすでに達成されたと語った。

▽国民党と民衆党の反応

最大野党・国民党は22日、報道資料を通じ、頼総統が考えを転換して国民党が従来から主張するエネルギー政策に近づいたことは、遅かったものの誤った道を歩み続けるよりは良いと表明。これまでの間違いを認め、国民に対して心からの謝罪をするよう求めた。

第2野党・民衆党の黄国昌(こうこくしょう)主席(党首)も同日、正しく、かつ必要な決定だと評価。その上で、この10年間の誤ったエネルギー政策について正式に謝罪するべきだと話した。

(葉素萍、劉冠廷/編集:田中宏樹)
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