「こんな空間の宿が日本にもあったとは!」――そんな歓声と共に紹介された場所が、X上で話題となっている。
広々とした吹き抜けのロビーや、クラッシックな窓が、重厚感のある落ち着いた雰囲気を漂わせている。
ここが宿なのか? どちらかと言えば、銀行のロビーのような......。そう感じた読者もいるかもしれない。
その直感、正解です。
リプライツリーの補足情報によれば、この〝宿〟は「TOYOOKA 1925 泊まれる銀行建築(1936年築)」。兵庫県豊岡市にあるホテルで、かつては「兵庫県農工銀行 豊岡支店」だった建物だ。
「ときを感じる お宿図鑑: スケッチで巡るレトロ建築ガイド」の著者である吉宮晴紀(@rninopon)さんがこのホテルを紹介したポストには1万3000件を超える「いいね」(6月27日時点)のほか、こんな声も寄せられている。
「おお美しい」
「贅沢な空間」
「このホテル大好き! 周辺も静か、部屋にテレビ・時計がなくて『静』を楽しめる」
「外観も素敵ですし、朝食も美味しかったです」
「TOYOOKA1925」を運営する豊岡市の企業・CYCLEの中原大輔代表にも話を聞いたところ、「旧兵庫県農工銀行豊岡支店」は1925年に起きた北但大震災の後、町の復興再生のため建てられた「豊岡復興建築群」の一つ。1934年に建てられ、シンボル的な存在だったという。設計したのは、当時、関西を代表する建築家だった渡邊節氏。現在、国登録有形文化財にも登録されているそうだ。
そして、クラシックな雰囲気を色濃く遺した文化財の建築はいま、6室限定のブティックホテルとなって蘇っている。