2025年7月30日、国内歴代最高気温が更新された。
41.2度。
......それって、いったいどんな場所?
気になったJタウンネット記者は丹波市役所と丹波市観光協会に電話で話を聞いた。
市役所の広報担当者に、「日本一になられたそうで、おめでとうございます」と挨拶すると、「実はあまり嬉しくはないのです」と答えた。
というのも丹波市は、夏暑いというよりは、むしろ涼みに来てもらうようなイメージだったという。
激アツのまちで小豆と〝最低〟を楽しもう
気を取り直して、「柏原」についても聞いてみた。
ここは、旧柏原藩の城下町。織田信長の弟・信包が、伊勢国安濃津から柏原3万6000石に移封されたことから始まった。一時期、中断はあったものの、織田家の子孫が藩を継いできた。
「じっくり歴史散歩をするには、良い町ですよ」と、市役所広報担当者は話す。大阪、京都、神戸からの小旅行にはおすすめとのことだ。

丹波市観光協会にも電話で話を聞くと、丹波の名産品は「栗」と「大納言小豆」で、ちょうど今、「丹波大納言小豆 Sweets Fair 」を開催中だという。

丹波市内の20以上の参加店が「丹波大納言小豆」を使ったスイーツを競い合っているのだ。
かき氷に葛切り、ソフトクリームに冷しぜんざいといった涼し気で爽やかなメニューが用意されている。

そして、丹波市観光協会では8月1日から、日本一の最高気温41.2度記録を受けたキャンペーン「最低のまちが最高だ!」をスタートした。
観光協会のホームページから丹波を訪問した感想を送ると、先着50人に氷上パーキングエリア内「いっぷく茶屋 」で利用できるホットコーヒー無料チケットがプレゼントされる、というものだ。
〝最低〟というのは自虐ではなく、降ってきた雨が太平洋側に流れるか日本海側に流れるかが決まる「中央分水界」のうち、標高95メートルという本州で最も低い地点を丹波市が擁していることから。その〝最低〟の分水界は「水分れ」と呼ばれ、ここから南北に伸びる低地帯は「氷上回廊」と呼ばれる。

「観光協会としては、『日本最高気温』に関心を持ったあなたに、『日本でいちばん低い』まちの魅力を伝えたい。氷上回廊がもたらす心地よい風や豊かな里山環境や食や多様な伝統文化に触れていただきたい」
「 『いちばん高い』気温にめげそうな心身を、『いちばん低い』まちの魅力で元気づける。そうして暑気を払っていただきたい」(観光協会公式サイトより)
どうやら丹波の人々は、日本一の暑さにバテることなく、さらに熱く燃え上がっているらしい。
「丹波大納言小豆 Sweets Fair 」も「最低のまちが最高だ!」も、9月15日まで。
最高気温を更新した町・柏原のある丹波を巡りながら、大納言小豆の冷たいスイーツ三昧。冷えたお腹はホットコーヒーで温める、というのもいいかもしれない。