〝人類カニ化計画〟――そんな恐ろしい言葉が踊る〝奇祭〟がX上で話題となっている。
2025年8月9日、Xユーザーのアル(@ALGA_RIUM)さんが投稿したのは、真っ赤な背景に「人類カニ化計画」と書かれたパネルの写真。
アルさんは画像と共に、こうつぶやいている。
「仙台うみの杜水族館の『蟹祭(カーニバル)』、とりあえず様子がおかしいことと、私もいずれカニになってしまうことだけは分かった」
どうやら、人類をカニにしようとたくらんでいるのは、仙台うみの杜水族館(宮城県仙台市)らしい。
いったい、何故そんなことを?
なぜ人類はカニになるのか
アルさんは、こんなパネルも紹介している。
「人類もいずれカニになります。」
「体は正直です。カニになってきてますよ。」
こ、コワ......!? 体が、カニに!?
いずれどころか、もうカニになるまで猶予があまり残ってないのでは!?
われわれ人類は、どうしてカニになってしまうのか。仙台うみの杜水族館はその理由も掲示していたという。
「必ずしもまっすぐには進めない厳しい世の中です。
おそらく、人類もいずれカニになるでしょう。
なぜならば、カニは、何よりも多様で、何よりも合理的で、何よりも美しい。
そう、こんなに完璧な存在はいないのですから。」
......よく分からないけど、なんだかこう言われると、カニになるのも悪くはない気がしてきたな......。
10周年にピッタリの存在、それがカニ
14日、Jタウンネット記者が話を聞いたところ、投稿者のアルさんが〝蟹祭(カーニバル)〟に参加したのは9日。仙台うみの杜水族館の夜間営業を訪れていたという。
その体験を、アルさんが語る。
「初めて見た際の第一印象は『パネルの圧力すごっ!』でした。
実際に展示内に入ると、多種多様なカニが展示されていて、カニという生物の多様性を実感することができました」

また、企画展以外の常設水槽にも、地元の海や川に棲む種類を中心に各種のカニが展示されていたという。「カニという生き物が身近な生き物なんだと改めて感じました」とアルさんは言う。

仙台うみの杜水族館の運営会社・横浜八景島が発表しているプレスリリースによると、「蟹祭(カーニバル)」は仙台うみの杜水族館が7月1日に開館10周年を迎えたことをカニで祝うお祭りだ。
......それは、何? Jタウンネット記者は14日、仙台うみの杜水族館にも話を聞いた。
10周年にカニがぴったり
なぜ10周年を、カニでお祝いすることになったのか。取材に応じた同館広報担当者がカニを選んだ理由を説明する。
「10周年を祝うにあたり、蟹は脚が10本あるという数字の共通点や、赤色という色のめでたさ、脱皮を繰り返す生態が年々成長し、新しいステージへ向かう水族館と重なるなど、水族館の10周年というステップとおめでたさを象徴する生きものとしてふさわしいと考えました。
わたしたちの生活する身近な環境に暮らし、馴染み深い蟹をメインに、さまざまな特徴を持つ蟹と私たち人間の意外なつながりや魅力を体感してほしいと思い、10周年の夏をカニで祝う祭として企画いたしました」
なるほど、実はカニは水族館の10周年を祝うのにぴったりな存在だったというわけだ。

そんな蟹祭の見どころは、なんといっても50種類を超えるカニの生体展示「蟹展」だ。

「カニのハサミをカミソリ型、万能型などタイプ分けをし、蟹の生態について紹介するユニークな種名版もございますので、ぜひ種名版も見て楽しく蟹について知る楽しみ方がおすすめです。
蟹展の特別展示室は、カニの体内に入っていくイメージで制作しており、蟹にまつわるキャッチコピーが全面にえがかれたフォトスポットで記念のお写真を撮るのもおすすめです」

アルさんが投稿した蟹祭(カーニバル)についてのポストには、4万3000件を超える「いいね」(14日夕時点)のほか、
「好きすぎるwww」
「ホラー映画みたいになってるんですけどw」
「最近、ジャンケンで チョキを出す確率少し上がった気がします」
「蟹になりたいね...蟹になりたい...」
といった反応が寄せられるなど、大きな話題となっている。こうした反響を受け、仙台うみの杜水族館の広報担当者は
「たくさんの方に興味を持っていただけて嬉しい限りです。
今回話題になった人類カニ化計画をコンセプトにした『蟹展』はもちろんのこと、『蟹祭』では、『カニおめん』を被り、カードに載っているカニの中から展示していないカニを探す『カニ探しカード』というプログラムや土日祝日限定で、夏を感じられて水族館ならではのゲームに参加出来る『うみの杜縁日』の開催などお楽しみが盛りだくさんです。
「この夏はぜひ、仙台うみの杜水族館でお客さまもカニになって、笑って、涼んで、楽しんでいただければと思います」
とコメントしている。
蟹祭(カーニバル)は、8月31日まで開催中だ。