愛知県在住の30代女性・Kさんが忘れられないのは、息子が2歳だったころのできごとだ。
その日、Kさんは息子を連れて病院へ行ったのだが、痛みのある治療を怖がる息子は、病院に入る前から大泣きしていた。
その後も泣き止むことはなく、待合室にいる人たちは大きな泣き声を迷惑がっているように見えて......。
<Kさんからのおたより>
2020年の出来事です。もうすぐ3歳になる息子に水いぼが出来てしまい、皮膚科で取ることになりました。
専用のピンセットで一つ一つ取っていくのですが、それがとにかく痛いので、泣き叫びます。
二回目に行った時は、皮膚科の前に立った瞬間からもう大泣きでした。
「母親なのに...」止まらない後悔
その時は、病院が歩いて10分もかからない場所にあることと、予約してるからすぐに終わるだろうと保険証と医療証だけを持って行ったのですが、それが大失敗でした。
とても混んでいてなかなか呼ばれず、息子はぐずり続け、呼ばれたら更に大泣き。
水いぼを取られた後は、パニック状態で大泣き。
気分転換用におもちゃを持ってくれば良かった。お菓子を持ってくれば良かった。
たくさんの患者さんがいる待合室で、泣き叫び続ける息子を抱きしめるしか出来ず、ただただ後悔していました。母親なのに、なんで考えが至らなかったんだろう......。色々思っても、あとの祭りでした。
そんな時、80代くらいの年配の男性が病院に入って来て、息子を見て一言、こう言ったのです。
「坊主、元気だな!」

そして、息子の頭をなでてくれました。
皆さんが迷惑そうにしているように見えたので、その言葉が嬉しくて、自分でも驚いたことに涙が出てきました。
目を離した隙に、息子が...
その後、お会計で受付に呼ばれた時は、反り返って抱っこできなかったので、息子は椅子に置いて行くことに。
すると息子は泣きながら床に降りてしまい、会計を終えて振り向くと長椅子の下にいたのです。
わたしは「何してるの!」と怒るしかなく......。
でもその時、50代くらいの女性が近寄きて、言いました。
「人が通るからよけて椅子の下に入ったの。泣いててもちゃんと周りを見れてるわよ」
息子は、通行の邪魔をしないようにそうしたのだと教えてくださったのです。

当時は自分が泣いてしまったことがかっこ悪くて、早く病院を出たい気持ちが勝ってしまい、お二人の言葉が嬉しかったとちゃんと感謝を伝えられませんでした。
今でも、お二人の優しさに救われたこの日のことを、忘れられません。
あの時はありがとうごさいました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
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