先日富山へ行ったのだが、そこで変なお土産を見つけてしまった。
「金沢に行くついでに富山に寄ってみました スイートパイ」だ。
な、なんて?
「氷見漁港場外市場 ひみ番屋街」のお土産売り場で発見し、あまりに自虐的すぎるパッケージに惹かれ、つい購入してしまった。
「富山ってどこ??」
という悲しすぎる問いかけや、〝富山の自虐あるある〟なるものが描かれている。

これじゃまるで、「富山が主目的な人なんかいないでしょ?」とででも言わんばかり。記者は金沢に行くついでではなく、富山に行くために、富山を目指し、富山へとたどり着いたのだが......。
しかもこのお菓子が面白いのは、これだけではない。
仕掛けがある
傾けると、出てくるのだ。
「富山ってどこ?」の答えが。

「富山は金沢(石川)の右側です」
と、ご丁寧に地図までついている。何なんだこの仕掛け......。
少々自虐的すぎる......が、これはお土産としてかなり面白いかも。
だって、渡されたら「富山行ってきたの? っていうか何これ?」って聞きたくなっちゃうし、渡す側だったら「こうは言うもののこんなモノもあって...」って話を広げやすい。富山についての会話が誘発されること、間違いなしだ。
箱ごと渡すのではなく、たくさんの人に分ける場合も、問題なし。

個包装にも、一つずつ富山の自虐あるあるがプリントされている。
たとえば。
「白エビとホタルイカしかない」
そ、そんなことないよ! 自信持って! と思わず励ましたくなってしまう。ます寿しや富山ブラックラーメンも有名だし、最近は「ガラスのお寿司」なんかも大人気じゃない!
というか、仮に白エビとホタルイカしかなかったとしても、その2つがあるだけでものすごい魅力だよ。
しかし、富山の人にとってはやはり「金沢」という存在が、圧倒的強者として君臨しているように感じられるのかもしれない......。

なお、中身は普通のスイートパイ。味も美味しいが富山感はない。
つまりこのお土産は、渡すときに添える〝土産話〟こそが真の富山土産になる、ということだろう。
富山で楽しい体験をした人こそ、自信なさげなこのお菓子を買って帰るといいだろう。