福岡県在住の60代女性・Nさんが、娘を出産して半年ほどのころのこと。
その日、彼女が娘を連れて散歩していると、突然の大雨に見舞われてしまった。
慌てて家に戻ろうとするのだが、すぐにずぶ濡れになってしまい......。
<Nさんからのおたより>
30年ほど前、ベビーカーに 生後6か月の娘を乗せて、近くの公園に散歩に行った時のこと。
突然に空が曇り、大粒の雨が降り出しました。
ベビーカーには簡単な幌がついているとはいえ、傘を持っていなかった私はずぶ濡れになりながら、足早に家に戻ることに。
すると、途中の交差点での信号待ちで停まっていた車から、50代ぐらいの女性が降りてきて......。
「とにかく赤ちゃん濡らさないで」と言って...
その人はピンク色の立派な傘を、「赤ちゃん、濡れちゃうから」と差し出してくれたのです。
慌ててどちらの方かをお聞きしようとしたら、「傘はいいから、とにかく赤ちゃん濡らさないで」と言って、車に戻って行かれました。

私はああいう人になりたい。人が困っている時、損得勘定抜きで助けられる人に。私だけでなく、ベビーカーに乗っているこの子も、そういう人に育って欲しい。
ずっとそんな思いで、わが子を育ててきました。
あの時の傘は、当時の家から引っ越した今でも、家に置いてあります。
お返しすることはできないと思いますが、この思いを私や娘が社会の中で返してつなげていけたら、恩返しになるのかなと思っています。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
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