す、滑ってる――!? 思わず心配になる公共交通機関の動きが、X上で注目されている。

2025年8月7日、Xユーザーの@t_bookmarker583さんが投稿したのは20秒ほどの動画。

1両編成の路面電車が、画面左側か現れる。車両は道路に敷かれた線路を見ればわかる通り、交差点を左折するのだが......。

す、すごい! カーブが急すぎるからか、レールの上を走っているだけなのに、車体が横滑りしているように見える!

Jタウンネット記者は8日、撮影者の@t_bookmarker583さんに話を聞いた。

なんでこんなに急なの?

@t_bookmarker583さんが話題の映像を撮影したのは、豊橋鉄道路線内の井原停留所付近。

7日のお昼過ぎ、出張で三重を訪れていた@t_bookmarker583さんは、仕事の合間の休みを利用して船で愛知に渡り、撮影場所を訪問したという。

急カーブについては事前に動画などで見ていたものの、実際に目の当たりにすると想像以上に急なカーブで、車両の動きも興味深かった、と振り返る。

「普段利用している鉄道(JR)ではこんな光景はまず見られないと思いますので、路面電車ならでは、わざわざ豊橋に見に行った甲斐があったなと思っています」(@t_bookmarker583さん)

この場所のカーブは、どうしてこんなに急なのか? 記者は22日、豊橋鉄道にも話を聞いた。

取材に応じた同社広報担当者によると、半径11メートルの曲線となる井原停留所付近のカーブは、通称「R11」と呼ばれている。

「昭和50年代半ば、現在の運動公園前停留場付近にある豊橋市民球場の完成や岩田地区の宅地開発が進んでいました。そうした発展に伴う地域の移送手段を確保するため、昭和57年に井原-運動公園前間が延伸され誕生したのが当該カーブです」(広報担当者)

井原交差点の拡幅が難しい中での延伸となったが、軌道法では道路を走ることから、急カーブも設置が認可されているとのことだ。

差し掛かった車両が、さながらドリフト走行をしているように見える「R11」の光景に、X上ではこんな声が寄せられている。

「えぐいコーナリング」
「急カーブに追随するように張られた架線が芸術的」
「完全にドリフト。
『電車でD』ですな」
「元々遅いとはいえそのまま突っ込む感じが良いですね」
「ほんまやイニDでしか見ん動きしとる」

こうした反響に対し、同広報担当者は「実際には鉄軌道でドリフト走行はあり得ませんが」と前置きしつつ、次のようにコメントした。

「そのように見えるほど台車から車体がむき出しになる迫力ある状態がご覧いただけます。弊社路線は生活路線である中で、鉄軌道線では『日本一』と呼ばれる名所カーブがあることは誇らしく思います」
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