そろそろ8月も終わりというのに、猛暑が収まる気配が見られない。9月以降も厳しい残暑が予想されており、今年の夏はまだまだ続きそうだ。
暑さの中、トボトボ歩いていると、自動販売機がオアシスのように見えることもある。そんな時は、ためらわず近づいた方が良い。
水分補給はもちろんのこと、知っておいたほうがいい〝情報〟が得られることもある。
たとえば、2025年8月22日にXに投稿された自販機のように......。
キリンの白い自販機の真ん中に、黄色と黒のいわゆる「警告色」の張り紙が貼り付けられている。書かれているのは、こんなメッセージだ。
「クマ出没中につき 空き缶、ゴミ等は 捨てないでください」
「クマ出没中」の文字がひときわ大きく書かれたこの警告は、「ゴミを捨てちゃいけない理由が、カラスからクマへ変わりつつある令和の世」というコメントと共に、Xユーザーの「アヴェマナヴ」(@hotateyasan)さんが投稿したもの。青森県むつ市のふるさと納税返礼品として人気の「ホタテ水着」を生産する阿部商店の阿部学社長のアカウントで、下北半島の新鮮なネタを発信しているXユーザーだ。
全国的に「クマ出没」が話題になっているが、ここでもやはり......。
Jタウンネット記者は投稿者・アヴェマナヴさんに、警告を発見した時の話を聞いた。
体育館にクマが侵入、住宅内部の食品の食害も
話題の写真が撮影されたのは、8月22日の午前8時30分頃。前日の午前中に同じ自販機を見たときは、警告は存在しなかったという。
警告を見つけた時の感想を聞くと、こう答えた。
「個人的には今年むつ市大畑町では熊の出没が例年より多いような気がするので、注意しようと思いました」
「先日、町内にある体育館にクマが侵入した時は、全国ニュースになっていました」
「自動販売機も被害があったというよりは、注意喚起的な貼り紙だと思います」(「アヴェマナヴ」さん)
青森県のホームページを見ると、「クマの出没に注意してください」というページがあり、「ツキノワグマ出没警報」が発表されている。
県がツキノワグマの出没件数を取りまとめたところ、4月の出没件数が、県の「ツキノワグマ出没注意報等発表実施要領」に基づく、警報発表の基準である過去5年間における当該月の平均値の2倍以上(2.14倍)となったため、「ツキノワグマ出没警報」を発表します。
1 期間
令和7年5月1日(木) ~ 令和7年11月30日(日)
2 区域
県内全域
3 県民の皆様へのお願い
・ クマの出没状況に気を配り、出没が確認されている場所には近づかないでください。
・ 山に入る時はなるべく複数で音を出しながら歩くようにしてください。
・ クマを引き寄せる食べ物や野菜くず等の生ゴミを屋外に放置しないでください。
また、クマ出没マップも同じページに埋め込まれており、どこでクマが目撃されたか、被害があったかもわかる。大畑町でも、住宅地に「目撃発生場所」のピンが多数打たれている。中には、自宅内部の食品の食害被害の報告も......。
自動販売機の周りでは、リサイクルボックスがなくても空き缶が置き去りにされたり、それ以外のゴミが捨てられたりといったことが起こりがち。もしそれが、自分の暮らすまちにクマを引き寄せるきっかけの一つになってしまったら......?
この警報は、青森県にとどまらず、他の地域でも参考になりそうだ。