横須賀の港で、謎の〝コード〟を発見した――。

そんな報告が、X上で注目されている。

2025年8月23日、Xユーザーの豆腐(@Toufu_184)さんが投稿したのは、海と、そこに浮かぶ黒い潜水艦、その奥に並ぶ建物を捉えた写真。

注目してほしいのは、やや左側にあるビルの、上方だ。

おわかりいただけただろうか。かなり大きなQRコードが掲げられているのだ。あ、怪しい......。

このコードは何? 読み込んだらいったい何が起こるのか?

読み込んだ先には...

自衛隊庁隊舎の外壁に超巨大QRコードを発見→読み込むと......の画像はこちら >>

豆腐さんは、謎の巨大QRコードにスマホを向けて、ズームした。

するとコードはちゃんとよみこまれ、画面にあるURLが表示された。

mod.go.jp。go.jpということは、政府機関のサイトということだ。ヤバイものではなさそうで、一安心。

豆腐さんはこのサイトにアクセスしてみて――そして、爆笑した。

何故なら、飛ばされたのがこのページだったから。

海上自衛隊公式サイトの採用情報である。

つまり「クソデカQRコード」は、求人だったというわけだ。

「横須賀で潜水艦撮ってた時に潜水艦近くの建物にクソデカQRコードがあったのよ
それ読み込んだら自衛隊の採用ページに飛ばされて爆笑した」(豆腐さん)

という豆腐さんの呟きには、X 上で2万8000件以上のいいね(8日昼時点)のほか、こんな声が寄せられている。

「サブリミナル採用活動」
「読み込みたくなる心理をついてる」
「防衛省には知恵者がいます」
「潜水艦の写真ネットにあげて勝手に採用情報広告してくれるから頭いいな」
「この広い世界に1人くらいは、横須賀の港で見かけたクソデカQRコードがきっかけで入隊する人もいるのだろうか」

Jタウンネット記者は今回バズったQRコードについて、投稿者・豆腐さんと、海上自衛隊に話を聞いてみることにした。

QRコードの効果やいかに? 海上自衛隊に聞く!

豆腐さんが「クソデカQRコード」を見つけたのは23日の午後2時ごろ。

この日の横須賀の港には、護衛艦「かが」が入港していた。豆腐さんはこの護衛艦が一番好きで、写真を撮影するために横須賀を訪れていた。

その際、他の艦艇も撮影しようと横須賀本港を一望できるヴェルニー公園から潜水艦にカメラを向け、そこで対岸のビルの壁面にQRコードが掲げられていることに気づいたという。

「なんだろこのでっかいQRコードはと読み込んだところ採用ページに飛びました。
隊員不足が問題になっている自衛隊で、このような人目に付く求人戦略を取ることはとても面白いと思いました。
これを見て入隊しました! という隊員さんが将来現れることを願っています」(豆腐さん)

では実際のところ、このQRコードはどれほどの効果を発揮しているのか? 記者は9月5日、海上自衛隊にも話を聞いた。

取材に応じた第2潜水隊群の職員によると、このQRコードは25年1月31日から海上自衛隊第2潜水隊群庁隊舎のヴェルニー公園側に掲示されている。

「どこの街にもよくある『自衛官募集』というフレーズで募集するよりも、インパクトある巨大QRコードを展示することで興味をもってもらいたく、このような形での募集を始めました」(同職員)

ただ、風の影響に大きく左右されることから、QRコードの懸垂幕を展張できたのは、これまでの7か月間のうちの約30パーセントである66日。

それでも、展張できた週末などには募集サイトの平均アクセス数の2~3倍、時には10倍程度のアクセスが確認できているなど、効果を感じているという。

時代に合わせてアップデートされた、見た目にもインパクト抜群の「求人広告」。SNS上で話題になったことについては、「思った以上に反響があり、とても驚いております」と同職員は述べた。

なお、風の影響で展張できない日もあることを鑑みて、今後QRコードは懸垂幕ではなく、壁に貼り付けるシールのタイプに代わる予定だ。

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