神奈川県在住の50代女性・Sさんは若いころ、見ず知らずの人から思いもよらぬ申し出を受けたことがある。
当時の彼女は22歳。
しかし、それらは若い彼女には高価な代物で......。
<Sさんからのおたより>
33年前、私は22歳の時に長女を出産しました。
産後1~2か月だったでしょうか。その日は床屋に行く夫と一緒に出かけ、散髪が終わるまで私は近くのデパートで待っていることになりました。
そこで、その時はまだ持っていなかったベビーカーを眺めていました。
当時はまだ若く、お金もなかったので、値段を見て「買えないな」と思っていると......。
赤ちゃん連れの女性に話しかけられて...
そんな私に、近くにいた女性が声をかけてきたのです。その人はベビーカーを押していて、それに赤ちゃんを乗せていました。
彼女はなんと、こう言いました。
「ベビーカー買うの? もし、よかったら、このベビーカー使わない?」
なんでも、今一緒にいる子は3人目で、ベビーカーを買い換えようと思っているというのです。
驚きましたが、「使わないのなら喜んで」とその場でいただきました。

そのベビーカーは全然キレイでまだまだ使えるモノでした。
今思えば、3人目でベビーカーを買い替えるなんて、あまりしないと思うのです。
もちろん、お金に余裕がある方だったのかもしれません。でも、まだ若い私が、ベビーカーを見てため息をついていたのかも......、とも思います。
ベビーカーはその後...
もちろん、その方にはその場でお礼はしたのですが、どこのどなたかも教えてもらわないまま。
改めてお礼をすることもできず、ちゃんとお話できなかったことに、未だに未練を感じています。
私は、その後生まれた子供たちも合わせて3人全員をそのベビーカーで育てました。
あの時、ベビーカーを頂いてとても助かりました。
声をかけて下さって、本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。
(※本コラムでは読者の皆さんに投稿していただいた体験談を紹介しています。プライバシー配慮などのために体験談中の場所や固有名詞等の情報を変更している場合がありますので、あらかじめご了承ください)