「栃木県民しか喜ばないクッキー」が、栃木県で爆誕したという。
2025年9月13日、栃木県大田原市にある淡水魚水族館「なかがわ水遊園」の公式Xアカウント(@tnapofficial)が発表したのは、まるでジグソーパズルのピースようなクッキーたち。
大小さまざま、形もバラバラだが、これはいったい何か? 写真にはこんなコメントが添えられている。
構想1年、試行錯誤の末に誕生した「栃木県民しか喜ばないクッキー」誕生!
水遊園が開発した専用の型を使って、栃木県25市町の形をしたクッキー作り「とちぎ25クッキーズ」9/27、28に行います
なんと、このクッキーたちは栃木県の25の市町村を表しているらしい。
たしかに、集合した彼らは栃木県を形作っている。
クッキーで、栃木県を作る。地元愛溢れるなかがわ水遊園の企画には、Xユーザーたちからこんな声が寄せられている。
「これほしい」
「コレ、お土産とかで売って欲しい」
「クッキー型販売してほしすぎる」
「すごい! 市町ごとに味が違ったりしたら、もっとすごいかも!」
「さすがにワロタ」
「芸が細かすぎです!」
「日光市のデカさ」
「日光市の取り合いが始まる」
「ラストピースにしていただき光栄でーす♡ 足利市民」
「どの市町から食べるか悩ましい」
「食べるのもったいなく感じてしまいそう」
また、意外と〝栃木県民以外も喜ぶクッキー〟だったらしい。他県民と思しきユーザーからは「すばらしい! 栃木いいな~」「めちゃくちゃいきたいー!!!!!!」といった反応も。
しかし、いったいどんなきっかけで、この企画が始まったのか? Jタウンネット記者は、栃木県なかがわ水遊園に詳しい話を聞いた。
地域は食べにくい地域は...

Jタウンネットの取材に応じてくれたのは、企画の発案者である栃木県なかがわ水遊園の広報担当者だった。
きっかけは、北海道の形をしたクッキーを知人からもらったことだったと話してくれた。おもしろい発想だと思い、水遊園でもなにか作れないかとずっと考えていたそうだ。

「栃木県民は県の形は知っていても、市町の形は意外と知らない人が多いと思い、調理体験として作る楽しみのほかに、作った後にも市町名を当てる遊びなどで親子で楽しめるものになると思い企画しました」
「当初は栃木県一つで作製する考えだったが、面白い要素が何もなく、食べる前に楽しめて、他にはないものにしたかったため、県内25市町に決定しました」(広報担当者)
実は、他のスタッフに構想を話してもいまいち理解してもらえず、反応が薄かったため、途中でやめようかとも考えていたという。
しかしとにかく、1年の構想を経て企画は行われることになった。

ところで、実際にクッキーを作ってみて、初めて気付くこともあったという。
たとえば、大きさの違い。
「実際手に取ってみると、一つの市町でもこんなにも大きさ(面積)が違うことに驚きました」(広報担当者)
クッキーにすることで、地図を見るときとは一味違う栃木県を感じられたらしい。
また、大きさが異なることはクッキーの作り方にも影響したという。
「実際に焼いてみると、小さいものは早く焼けて、大きなもの(日光市など)は時間がかかる。大きなものに焼き時間を合わせると、小さな市町が丸焦げになるので、できるだけ均等に焼けるよう、焼き方は一工夫しています」(広報担当者)

そして、食べる段になってからも気づくことがあった。
「作ってからわかったことですが、自分の住んでいる地域や思い入れのある地域はとても食べにくい......」(広報担当者)
手を使って焼いてみなければ分からない、微妙なことは、いろいろ多かったようだ。
そんなとちぎ25クッキーズ(「栃木県民しか喜ばないクッキー」は非公式な裏タイトルとのこと)への栃木県民からの反響は、予想以上に大きかったという。
「喜んでいる栃木県民が意外と多いことに驚いています」「構想一年、ようやく世に出た栃木県25市町のクッキーが、こんなにも皆さんに喜んでいただけてこれまでの苦労が報われた思いです」と、広報担当者は語る。
生地作りから型抜きまで、自分の手で、栃木県の25市町すべての形のクッキー作り、「とちぎ25クッキーズ」は、9月27日と28日のそれぞれ午前11時と午後2時から、栃木県なかがわ水遊園の味わい工房で開催される。
「栃木県民しか喜ばないクッキー」をぜひ自分の手で作ってみてはいかが。
参加希望者は開催当日の午前8時30分までに応募フォームからご予約を。
所要時間は90分、料金は950円、できるものは「1県分」。
22日の夜に確認したところ、28日11時の会は既にキャンセル待ちだった。