「山形には空気を祀る神社があります」――2025年9月18日、Xにそんな情報が投稿され、注目を浴びている。

投稿者・ベンジー(@benzycocker)さんが添えていたのは、清々しく、そして幻想的な森の中の光景。

天に向かって伸びる木々が、地面に鏡写しになっている。

なんとも不思議な風景に、X上では3000件を超える「いいね」のほか、こんな声が寄せられている。

「ちょっと不思議なリフレクションだけど、神秘的な雰囲気もありますね」
「空気を祀る!意識しなくても空気を吸って生きているのだから訪ねたら感謝の気持ちで一杯になるのだろう」
「どこだろう...行ってみたい!」

「空気を祀る神社」とは......? この神秘的な雰囲気の場所は、どんなところ?

Jタウンネット記者はベンジーさんに詳しい話を聞いた。

空気に感謝し、自然の恵みを大切にしよう

山形・朝日町の「空気を祀る神社」が神秘的で美しい 森の中の幻...の画像はこちら >>

投稿者・ベンジーさんによると、「空気神社」とは山形県中央部、朝日町にあるスポット。写真は、2022年5月24日午前5時41分に撮影したものだという。

この場所を訪問した時のことを、ベンジーさんはこう語る。

「以前から山形県自体が好きで、よく別の地域にも出かけていて地理的には理解していました。他に近くの棚田も撮影しようと思い、夜明け前から朝日町に向かいました」
「この場所は確かに山の上の方にありますが、まず参道前駐車場の場所はアスファルトで整地されており、またそばにテニスコートもあります」(「ベンジー」さん)

相当に山深い土地かと思ったが、とても行きにくい場所というわけでもないらしい。

山形県朝日町のホームページをのぞくと、「空気神社」のパンフレットが掲載されていた。

それによると、「空気神社」は1990年に誕生した、環境をテーマにしたモニュメントだ。

「空気に感謝し、自然の恵み を大切にしよう」――そんな趣旨に賛同した町内外の多くの人や団体、企業から寄付金を集めて建立されたそうだ。

6月には「空気まつり」も開催

パンフレットでは、空気神社の本殿について次のように説明されている。

「ブナ林の中に、5メートル四方のステンレス板を鏡に見立て置き、四季折々の風景を鏡に映し込むことよって空気を表現。

本殿は、深さ3メートルの部分にあり、四季を表す4本の支柱から成る鳥居に囲まれた地下空間。1年を表す12個(12ヶ月)の素焼きの瓶に、きれいな空気を祀っています」

そんな空気神社へ向かう参道はブナやナラの林に囲まれた、緩やかな階段。本殿に到着するまで10~15分ほど登っていく間に、宇宙を創る五行のモニュメントがたっている。

「『五行』とは、万物は木・火・土・金・水の5元素から成り立つと考える自然哲学の思想。
これら全てを包括するのが大気(空気)で、空気神社の関連モニュメントとして同時期に建立されました」(パンフレットより抜粋)

空気に感謝、あたりまえのように思っていたことだが、改めて大切にしたい。

11月下旬~4月下旬までは雪のため冬季封鎖になるという。訪問したい人はお早めに。

あるいは、毎年6月5日と最寄りの土・日曜日に開催されるイベント「空気まつり」の日に行くのもいいだろう。一年に一度の本殿御開帳が行われ、普段は見ることができない神社内部を参拝できるそうだ。

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