突然だが、「神社の鳥居」を思い浮かべてほしい。
多くの人は、朱塗りのものか、石造りのものをイメージしたのではないだろうか?
しかし、佐賀県にはそのどちらでもない、なんとも珍しい鳥居があるという。
それは白地に、青い模様がついている鳥居だ。なんと〝磁器製の鳥居〟だという。
2025年9月21日、この珍しい鳥居をX上で紹介したのは、「スカーレット@Photo」(@Photo_Scarlet)さん。
「全国でも珍しい『磁器製の青い鳥居』がある
佐賀県の神社」
そんな呟きと共に投稿されたポストには、7000件を超えるいいねのほか、こんな声が寄せられている。
「すごく美しい!」
「素敵ですね」
「可愛い&おしゃれぇ.........」
「実際に見てみたい 佐賀行きたい」
「佐賀に行く理由一個増えた」
「磁器製の青い鳥居」と聞いて、「さすが有田焼の街」「有田ですね」とズバリ言い当てる人もいた。
その通り、この鳥居があるのは、有田焼で全国に名高い佐賀・有田町の「陶山神社」だ。陶山は「すえやま」だが、地元では「とうざん」と呼ばれているそう。
投稿者・スカーレットさんはこの場所でどんな時間を過ごしたのか? 詳しい話を聞いてみた。
細部の凄い技術に感動!
スカーレットさんが、陶山神社の鳥居を撮影したのは、2025年8月12日。
磁器製の鳥居があると知ってから「いつか行きたい」と思っていたそうで、念願かなっての初訪問だった。
「実際にこの目で鳥居を見て、綺麗だと思ったと同時に、繋ぎ目とかを見て凄い技術だと感じ感動しました!」
「気になった方は現地で鳥居の凄さを見て頂きたいと思いました」(スカーレットさん)
なお、撮影の際には美しい青色を表現することには少々苦戦したといい、磁器製ならではの難しさもありそうだ。
有田観光協会の「ありたさんぽ」というサイトを見ると、陶山神社について次のように解説されている。
「応神天皇を主神とし、敷地の中には、陶祖 李参平碑もあるやきものの神様です。建立は1658年頃といわれています。神社には、有田焼の大鳥居や狛犬、大水瓶、玉垣などが並び、やきものの町ならではの風情に触れることができます」(有田観光協会「ありたさんぽ」より)
大鳥居は国登録有形文化財で、神社の公式サイトによると、1888(明治21)年奉納。有田泉山の陶土から作り出された白磁に、天然呉須(ゴス)による淡いブルーの唐草文様が入れられている。
また、この神社では磁器製のお守りを授与してもらうこともできる。
神社の中にある宗廟窯で、神職が一つ一つ奉製しているものなんだとか。
有田焼は約400年の歴史を持つ伝統工芸品。有田町には、有田焼に関する美術館(有田陶磁美術館、今右衛門古陶磁美術館、柿右衛門古陶磁参考館、香蘭社古陶磁陳列館、深川製磁参考館、他)、資料館、史跡など、見どころは多い。陶磁器好きな人には、おすすめの旅先と言えるだろう。
「磁器製の青い鳥居」をくぐって、古陶磁の奥深い世界にどっぷり浸るというのも、楽しそうだ。