カニの季節がやってきた。

カニと聞いただけで心がおどる、赤く茹で上がった脚が数本もあれば、我を忘れ無言でむしゃぶりついてしまう記者は、2025年11月10日、とあるX投稿に吸い寄せられてしまった。

「値段がおかしい」「ゼロ忘れてるのかと」 岩手の鮮魚店が〝値...の画像はこちら >>

いわゆる高級な「ズワイガニ」というのは、「ホンズワイガニ」である。

石川県の加能ガニ、福井県の越前ガニ、京都の間人(たいざ)ガニ、山陰の松葉ガニといったブランドガニは、ホンズワイだ。

オオズワイガニはこのホンズワイガニよりも大きい種類で、値段もお手頃だという。

そのお手頃なオオズワイが、規格外であるためにさらにお手頃に......ということらしい。ただ、荒木鮮魚店は別の意味で〝規格外〟なのだろう。Xに届いたリポストの中には、こんな感想もあった。

「オオズワイガニは3年くらい前から北海道で大量発生しているから、基本お手頃価格で一つ500円くらいで買えるくらいのイメージ。それを値上げして298円は安いなぁ」

水産物消費拡大を目指す「魚食普及推進センター」(東京都千代田区)のサイトによると、オオズワイガニは2023年ごろから北海道の襟裳岬や内浦湾(噴火湾)などで捕獲されたというニュースが聞かれるようになった。海洋環境の変化によって、北海道沿岸で増えて獲れるようになったと考えられるそう。

陸前高田市にある「荒木鮮魚店」は、通常は大船渡や気仙沼から仕入れているというが、今回はスポットで北海道のオオズワイガニを仕入れてみたのだという。

11月15日にもオオズワイを100杯仕入れ、「キズ規格外ですが値段と売る量も規格外298円」で販売。開店から3時間後には、97杯売れていた。

オオズワイガニが話題になったことについては「こんなに伸びるのか」と驚きつつ「地魚の投稿も伸ばしたかったと思いました」と語る。

東北産の鮮魚を世界に広めたいと、熱心に発信する「荒木鮮魚店」。

次はどんな海の幸を見せてくれるのか? 地元・陸前高田出身のLAドジャースの新守護神「ROKI」佐々木朗希選手の活躍と同じように、期待が膨らむ!

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