煮干しを食べていたら、〝別のヤツ〟が出てきた――。

そんな報告がX上を騒がせている。

出てきたヤツとは、どう見ても魚ではなく、エビやカニとも違う、かなり不気味なビジュアルをしていて......。

2025年11月11日、Xユーザーのれぴむ(@rrepm)さんが投稿したのは、平べったくて硬そうな、蛇腹のような体を持つ、小さななにか。ダンゴムシのような、シャコのような、エイリアンのような......白い側の先端部には複眼のようなものも見える。

ちりめんじゃこや煮干しに小さなカニやイカなんかが混ざっていることはよくあるけれど、コレは......?

謎の〝混入者〟に、X上では4万9000件以上のいいね(26日昼時点)のほか、こんな声が寄せられている。

「煮干し食べててこんなの出てきたら多分泣き喚く。ふつーに」
「宇宙から来た生物みたい」
「かっこいい 人とか食うタイプの宇宙人の宇宙船ぽい」
「古代生物の生き残りみたいな形」
「この謎生物の目?らしきものを見てから鳥肌が止まらん......。ぞぞぞってする、」

Jタウンネット記者は12日、まずは発見者のれぴむさんに詳しい話を聞いた。

「食べなかったことを少し後悔」

煮干しの中に紛れてた〝エイリアン〟に4.9万人注目「鳥肌が止...の画像はこちら >>

れぴむさんが〝謎生物〟を見つけ出したのは、煮干しメーカーのサカモト(本社:愛知県名古屋市)が販売している「塩無添加健康たべる小魚」の中からだった。国産カタクチイワシだけが原材料の、シンプルな商品である。

「発見した際は、よくシラスやちりめんなどに入っているエビやカニの赤ちゃんを見つけた時のような『ラッキーちゃん(ラッキー生物)発見♪』と、少しウキウキした気分になりました」(れぴむさん)

初めて見る生物だったため、試しに食べてみたりはしなかったというれぴむさん。

ただ、その後投稿に対して「美味しい」という意見が複数寄せられたため、「食べなかったことを少し後悔しています」と述べた。

「真偽は定かではないですがグソクムシ系の仲間というリプライをいただくことが多く、過去にオオグソクムシを食べた際は『殻付きの海老に似ている味』と感じたので、この子もそういう味だったのかなぁ、と想像しています。次に出会えたら、食べてみようかなと思っています(笑)」(れぴむさん)
煮干しの中に紛れてた〝エイリアン〟に4.9万人注目「鳥肌が止まらん」「こんなの出てきたら泣き喚く」
過去にれぴむさんが食べたというオオグソクムシ(画像提供:れぴむさん)

たしかに、蛇腹のような形状の体はグソクムシに似ているかもしれない。

果たして、その正体は――?

記者は20日、煮干しやちりめんじゃこに混ざる様々な生物、通称「チリメンモンスター」に関する体験学習プログラムなどを提供しているきしわだ自然資料館(大阪府岸和田市)にも写真を見てもらった。

その正体は...

取材に応じた同館学芸員の柏尾翔さんによると、れぴむさんが発見した〝謎生物〟の正体は「ウオノエの仲間」とのこと。

「ウオノエ」は魚類の体表や口腔内などに寄生する小型の甲殻類だ。海を漂って生活する幼生期には、カタクチイワシやその稚魚に混じってよく漁獲されるという。

「地域によっても漁法は異なりますが、煮干し等の原料となるカタクチイワシを漁獲する際に、他の魚類や甲殻類、軟体動物などが一緒にとれるのはよくあることです。これらは加工の過程で選別され取り除かれることがほとんどですが、サイズが小さいものもあり完璧に除去するのは簡単ではありません」(柏尾さん)

しかし、魚の口の中に入るほど小さいとなると、確かに取り除くのは困難を極めるだろう。

では、ウオノエの仲間が煮干しなどに入っていた場合、食べてしまっても問題ないのだろうか?

柏尾さんによれば、「問題ない場合がほとんどです」とのこと。ただ、エビやカニなどと同じ甲殻類の一種であるため、アレルギー体質の人は注意が必要だ。

「見慣れない見た目に驚くかもしれませんが、身近な海にすむさまざまな生き物を知る一つの機会ととらえていただけると嬉しい限りです」(柏尾さん)

確かなことは、オヤツの煮干しの中からアイツが出てきても、怯える必要はないということ。

ラッキーが混入したと思って、じっくり観察してみるのもいいだろう。

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