ファンタジーの世界に迷い込んでしまったんだろうか? そんな気持ちになる光景が、X上で注目を浴びた。
Xユーザーの流木お兄さん(@ryuboku023)さんが2025年7月19日に投稿したのは、木漏れ日の中に佇む1頭のトナカイ。
立派な角がなんとも凛々しくて......って、ちょっと待って? このトナカイ、全身が木でできてる!
それなのに今にも本当に動き出しそうなくらいに"命"を感じる「流木トナカイ」に、X上では2万8000件以上のいいねのほか、こんな声が寄せられている。
「なんだCG.........じゃねぇ!!すげぇえええ!!」
「シシガミ様や」
「かっこよ」
「森で苔蒸しててほしいまである...」
Jタウンネット記者は23日、この「トナカイ」について、投稿者の流木お兄さんさんに話を聞いた。
自分のこだわりより、流木のこだわりを
流木お兄さんさんは、浜辺に流れ着く流木やシーグラス等の素材を拾い集める「ビーチコーミング」で得た素材を、オブジェや雑貨・アクセサリーに加工して作品を作るクリエイター。
琵琶湖周辺の流木に触れる機会が多く、そこから流木を使った再生アートの存在を知り、流木アートも手掛けるようになった。
琵琶湖の流木を中心に、海辺の素材も使いつつ様々な作品を制作し、自身のアカウント等で披露している。
注目を集めた「流木トナカイ」は、数年前に短期間の展示を前提とした依頼を受けて作ったものを、リメイクした作品だという。
「完成度は自分の中でも非常に高い出来栄えとなっております」(流木お兄さんさん)
「トナカイ」に限らず、流木おにいさんさんが手掛けた作品たちは、いずれもこだわりを感じる力作だ。
しかし、流木おにいさんさんはこう語る。
「特性上、流木自体がこだわりの塊のような存在の為、自分自身のこだわりはあまりありません。あくまで流木の持つ味を最大限活かす事を優先します」(流木おにいさんさん)
夏目漱石は『夢十夜』で、運慶の彫刻の技術について「あの通りの眉や鼻が木の中に埋っているのを、鑿と槌の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない」と書いた。
流木お兄さんが流木で作るアートも、そのように生み出されているのかもしれない。
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