大さじ1杯で驚きの効果が期待できる話題の「れんこんパウダー」の魅力を紹介! 料理研究家の村上祥子さんが提案する「れんこんパウダー」のレシピも大公開します!
◎村上祥子(むらかみ・さちこ)
料理研究家。管理栄養士。
◎ここがスゴイ! れんこんの5大パワー
れんこんパウダーは、れんこんを乾燥させることによって、水分を完全に取り除き、粉末にしたものなので、その栄養成分と効能はれんこんと同じです。 そこで、れんこんに含まれる体にいい栄養成分とは何か? 注目すべき栄養成分を5つに絞って紹介します。
1)粘膜バリアを強化する ムチン
ムチンの一番の特徴は、ネバネバとした粘りけ。このネバネバが病原菌から粘膜を守り、たとえそれらが粘膜に付着したとしても、からめとって体外に排出してくれます。れんこんのネバネバ成分も、同じムチン。
2)老化防止・美肌に有効な ビタミンC
れんこんはビタミンCの含有量が豊富で、その量はレモンに匹敵するほどです。一般にビタミンCは熱に弱いという欠点がありますが、れんこんのビタミンCは、でんぷんにしっかりガードされているため、加熱しても損失が少なくてすみます。ビタミンCには強い抗酸化作用があり、老化、生活習慣病、ガンなどから体を守ります。ストレスに強いビタミンでもあり、免疫力の強化にも有効です。一方で、皮膚や粘膜に必要なコラーゲンの合成を促し、シミ防止にも効果大!
3)腸内環境を整える 食物繊維
食物繊維は人の消化酵素では分解されずに大腸まで届く成分で、水溶性と不溶性があります。れんこんの食物繊維は不溶性であるため、水分を吸収して著しくふくらみ、腸の蠕動運動を促してくれます。このとき、食物繊維は有害物質もろとも、体外に排出する働きをします。そのことによって、便秘解消や肥満防止ばかりでなく、腸内環境の整備、血糖値の上昇防止やコレステロールの吸収抑制などの役目も担います。
4)高血圧を予防する カリウム
れんこんには、カリウムも多く含まれています。カリウムはミネラルの一種。余分なナトリウムを体外に排出する働きをし、血圧の上昇を抑えることから、高血圧予防やむくみの解消に効果を発揮します。
5)抗酸化作用、止血作用がある タンニン
れんこんを切ったままにしておくと、変色します。この変色を起こす物質が、ポリフェノールの一種であるタンニンで、皮や節に多く含まれます。タンニンには、ビタミンCと同様、抗酸化作用があり、老化やガンの予防にも効果的です。また、血管を収縮させる作用や炎症を抑える作用も認められています。
■れんこんはこんな症状に効く
ムチン、ビタミンC、食物繊維、カリウム、タンニンといった、れんこんの有効成分は、いったい体のどこの、どんな症状に効果的なのでしょう?
例えば、
●カゼ
カゼのウイルスが鼻やのどから侵入しようとすると、まずはムチンが粘膜のところで侵入をブロック! もしウイルスが体内に侵入したら、今度はビタミンCの出番。体の免疫力を強化させて、カゼに負けないようバックアップしてくれます。
そのほか、
●ドライアイ
●ストレス
●花粉症
●ドライマウス
●鼻血
●肌荒れ、カサカサ乾燥肌
●嚥下障害
●疲労
●老化
●胃炎
●生活習慣病
●便秘
●むくみ
にも効果的!
◎風邪予防にオススメ! みかん&春菊のスムージー

免疫力を高める「みかん」+粘膜を保護する「春菊」+粘膜を強化して免疫力をアップする「れんこんパウダー」で風邪予防、のどの痛みの改善!
■材料(1人分)
みかん(皮と薄皮をむく) 50g
春菊(3㎝長さのざく切り) 50g
れんこんパウダー 大さじ1
水 カップ3/4
氷 少々
■作り方
材料すべてをミキサーにかけ、なめらかにする。
◎「れんこんパウダー」のおいしい効果
れんこんパウダーの効果は、体内に入ってからの機能ばかりではありません。その独特の食感と味わいで、料理を食べやすく、おいしくする、もう一つの効果があります。
①とろみ効果
汁物やスープにれんこんパウダーを加えると、ゆるやかなとろみがついて、サラサラの液体よりもずっと飲みやすくなります。もちろん、汁の実やスープの具も食べやすくなり、一緒に食べるご飯やパンさえも、飲み込みやすくなります。
とろみづけは、れんこんパウダーを料理に利用するとき、イチオシのやり方です。
また、ゆでたてのスパゲティに混ぜると、ソースがよくからまるという、メリットもあります。スパゲティを食べた後で、皿にソースが残ってしまう……、あの残念な結果を避けることができるのです。
②やわらか効果
ハンバーグを作るときはつなぎとして使う卵とパン粉の代わりに、つくねを作るときは同じく片栗粉や卵の代わりに、れんこんパウダーを使ってみませんか? 口当たりがやわらかく、どこかホッとするやわらかさが感じられます。
やわらかい衣が好みなら、竜田揚げや天ぷらの衣、フライの小麦粉と卵の代わりに使うのもよい方法です。
しかも、パン粉や片栗粉など、でんぷん質のつなぎよりも栄養価が高いのは、何ともうれしい限りです。
③マイルド効果
のどをヒリヒリさせるような香辛料の刺激、口に入れたとたんに口をすぼめたくなる酢の刺激、れんこんパウダーにはこうした強い刺激をやわらげ、味わいをやさしくする効果があります。
辛みや酸味の感受性は人によって違いますが、体が弱っているときは、味の刺激を強く感じるもの。そんなときはれんこんパウダーを加えましょう。味がマイルドになるだけでなく、体も元気を回復します。
④減塩効果
れんこんパウダーのとろみ効果のおかげで、汁物、うどんやそば、ラーメンなどの温かいめん類は、少ない塩分でも、味をしっかり感じることができます。しょうゆをたっぷりつけがちな刺身も、れんこんパウダーをつけてからしょうゆをつければ、つらい減塩食をサポートする手助けになるはず。
鶏のから揚げなど、下味をつけたものにれんこんパウダーをまぶせば、調味料を吸収して逃さないため、薄味でも満足できます。
⑤おいしさ効果
れんこんパウダーは、れんこんそのものを1/10に凝縮させたものです。いわば「れんこんの素」。
このおいしさは、まず、シンプルな料理で味わってみてください。納豆に加える、バタートーストにふるほか、おひたしや煮つけに加えるなど。
れんこんの淡い甘み、舌にほのかに残るうまみ、香ばしい風味が、いつもの料理をひと味違うおいしさに変えてくれます。
◎外はパリパリ、中はプリプリ「えびの羽つきギョウザ」

えびのうまみ+れんこんパウダーのムチンでおいしさアップ!
ひき肉を加えず、えびとれんこんだけで作る贅沢なギョウザです。えびの風味、れんこんのシャキシャキとした食感を大切にするため、つなぎはれんこんパウダーだけ! れんこんの粘りがえびのうまみを閉じ込めてくれます。れんこんを具にも、つなぎにも使うことによって、ムチンの効果が倍増するメリットも。
■材料(3~4人分)
無頭えび 200g
酒 大さじ2
れんこん 150g
ごま油 大さじ1
<A>
れんこんパウダー 大さじ1
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
ギョウザの皮(市販品) 1袋(20枚)
サラダ油 大さじ2
片栗粉 適量
(好みで)パセリ、しょうゆ、ラー油、酢、黒酢 適宜
■作り方
1)えびは殻と背わたを除いて、酒をふり、フードプロセッサーで粗く刻む。れんこんは粗みじんに刻み、ごま油で透き通るまで炒めて粗熱を取る。
2)ボウルに1)、<A>を入れてよく混ぜる。
ここでれんこんパウダーを使う!

生のれんこんをたっぷりと加え、れんこんパウダーも加えてよく混ぜ、具を作る。
3)ギョウザの皮の縁に水少々を塗り、2)を小さじ1ほどのせて包み、ひだを寄せながら口を閉じる。残りも同様にする。
4)フライパンにサラダ油を入れ、ギョウザの底に片栗粉をつけながら、フライパンの縁に沿って丸く並べる。
5)4)を中火にかけ、焼き色がついたら、水カップ1/4を注いで、ふたをする。強火にし、蒸気が上がって水分がなくなるまで焼く。
6)フライパンを揺するとスルスルと動くようになったら、皿をかぶせて裏返し、取り出す。パセリを飾り、好みの調味料でいただく。
◎本の紹介
□魔法の粉「れんこんパウダー」健康法

テレビの健康番組をきっかけに、手軽で健康に良い「れんこんパウダー」への関心がジワジワ広がっています。れんこんは、高血圧・肥満・便秘・腸粘膜の不調などさまざまな成人病や、ドライアイ・ドライマウス・ドライノーズ・肌のかゆみ症状など、現代人の乾燥系不快症状、そして花粉症の予防にも効果が認められている健康野菜。れんこんそのものを使う料理のレシピには限界がありますが、何にでも手軽にチョイ足しできる「れんこんパウダー」なら毎日とり入れることが可能! 本書は、簡単でおいしく毎日食べられるメニューを紹介する健康レシピブックです。
- 著:村上 祥子
- ISBN:9784062996846
- 製品ページ:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062996846