『メディアの怪人 徳間康快』(著:佐高 信)
「文化の仕掛け人」と呼ばれた徳間康快をご存じだろうか? プロデューサーとして、宮崎駿を育てあげ、株式会社スタジオジブリの初代社長に就任した男だ。そのほかにも徳間書店を興し、『アサヒ芸能』編集長として部下を育て、その後『東京タイムズ』の社長に就任した。
さまざまな逸話を残した彼は、いい評判だけでなく悪い評判も転がっている。いったい彼はメディアの黒幕なのか? それともメディアの怪人なのか……。
本書は、徳間の葬式の場面からスタートする。最期に放った言葉は「オレはだまされた」だった。いったい彼は誰にだまされたというのだろうか? そしてそれを読み解くかのように、徳間の周りにいた人たちから得た証言をもとに、徳間のエピソードが紹介される。
他者から描かれる彼の人物像は、たとえば「時流を読む才に富んでいた」「ケンカ上手であった」「突拍子もないことを考えた」などまさに豪快であり、それでいて少しチャーミングでもあった。破天荒に振る舞うが、1つの筋はきっちりと通しているから、誰もが彼についていきたくなってしまうのだろう。それ以外にも徳間は「心配するな。カネは銀行にいくらでもある」「人間的魅力さえあれば、あらゆる艱難辛苦は乗り越えられる」と豪語する。その発言から見える彼の哲学には強く惹かれるものがあるだろう。
◎目次
後輩・渡邉恒雄と氏家齊一郎/『権力の陰謀』事件
松本重治という先達/緒方竹虎との出会い
異色官僚との交友/念願の日刊紙『東京タイムズ』
大映に響く徳間ラッパ/つねに崖っぷちで生きる
ダイアナ妃に出演交渉/失敗こそ人生
◎著者紹介:佐高 信
1945年、山形県酒田市生まれ。
■フライヤー
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レビュアー:名久井梨香
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◎メディアの怪人 徳間康快
山口組・田岡組長を陰で支え、天才・宮崎駿を育て上げた夢の大プロデューサー、徳間康快。徳間書店を興し、『アサヒ芸能』編集長として部下を育て、難破船の『東京タイムズ』社長に就任、倒産寸前の『大映』の再建を請け負い、ダイアナ妃に出演交渉する。黒幕か? フィクサーか? それともメディアの怪人か?“濁々”併せ呑んだ傑物の見果てぬ夢を見よ!
- 『メディアの怪人 徳間康快』
- 著:佐高 信
- ISBN:9784062816755
- この本の詳細ページ:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062816755