こんな時代小説を待っていた! 武家もの時代小説の新潮流、砂原浩太朗インタビュー
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デビュー2作目にして山本周五郎賞・直木賞にノミネート、「本の雑誌」の2021年上半期エンターテインメント・ベスト10では堂々の第1位に輝いた砂原浩太朗さんの『高瀬庄左衛門御留書』。神山藩で郡方を務める庄左衛門と亡き息子の嫁・志穂、心に傷を抱えた2人の繊細な関係性を軸に描く正統派時代小説である。その美しくも静謐な筆致に、次代を担う存在との呼び声も高い。そんな話題の著者と担当編集が作品の魅力を語った。

◎登場人物それぞれの人生に奥行きが感じられる作品

高谷 砂原さんのデビュー作は歴史小説でしたが、小説作品としては2作目となる『高瀬庄左衛門御留書』は時代小説です。それは、当時の「小説現代」編集長、塩見からの提案だったそうですね。

砂原 そうなんです。1作目が加賀百万石の始祖、前田利家とその家臣の話だったので、もう何本か前田家周辺の話を書こうと思っていたら、「時代小説を書いてみてください」と言われて驚きました。「きっと向いてると思うから」って。僕の文章の雰囲気や、登場人物の感情のすくい取り方を見て、そう感じたそうです。歴史のダイナミズムだけでなく、登場人物一人ひとりの人生を奥深いところまで丸ごと捉えられるんじゃないかと。まずは短編を1本、「小説現代」に書いてみないかということで、この本の第1章にあたる「おくれ毛」を書きました。独立した短編のつもりでしたが、それを読んだ塩見さんから、「とてもいいから、この先を続けて長編にしましょう!」とご提案いただいたのが始まりですね。


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