◎『欲鬼』とは?
己の欲望を満たすため、超常的な力で暴虐の限りを尽くす“欲鬼”たち。そんな彼らに向かって正義の鉄槌を振りおろす二十正人(じつなしまさと)もまた、己の「正義欲」を満たそうとする欲鬼であった——。
◎登場キャラクター紹介
二十正人(じつなし まさと)
物語の主人公であり、「正義欲」の欲鬼。悪を為す欲鬼を狩り続けている。古茨ユリアによって家族を殺された過去をもち、彼女を裁くべく追っている。
-
古茨新菜(こいばら にいな)
正人を兄と呼ぶ快活な少女。古茨ユリアの娘であるが、幼い頃に捨てられている。「被殺人欲」の欲鬼で、不死身の再生能力を持つ。
-
月居朝日(つきおり あさひ)
犯罪を犯す欲鬼の処理を行う警察部隊「欲鬼処理部隊」の班長。 「法治欲」の欲鬼で、目で捉えた対象の動きを止める能力を持つ。
-
茶番 椿(さつがい つばき)
新菜の通う高校の同級生。「殺人欲」の欲鬼として目覚め、 苦しんでいたところを正人たちに保護される。
◎色原みたび先生へ一問一答
──欲が強くなりすぎると「欲鬼」に化す設定が斬新だと評判ですが、このテーマを思い付いたキッカケはなんでしょうか?
最初は「殺人欲」をテーマにしたダークファンタジーを考えていたのですが、打ち合わせを重ねるにつれて“欲望”全般をテーマにすることに変わっていきました。さまざまな欲望を扱うようにしたことで、より人間の本質を描けるようになったというか、物語の幅を広げられたのではないかと思います。
──この作品で一番描きたいこと、読者の方に一番見てもらいたいところはどんなシーンですか?
“感情の高ぶり”です。表情や演出で見せることができればと思っています。
──描いていて楽しいキャラクターはいますか?
敵キャラなどは描いていて楽しいです。不細工な人やおじさんなど個性的な人物を描く方が好きなんです。逆にイケメン顔の正人は描きにくいですね(笑)。
──バトルシーンなど凄惨なところがありますが、絵が個性的で綺麗だとの声もあります。絵についてこだわっている、気をつかっているところはありますか?
実はバトルシーンはあまり描いてこなかったので、苦手意識があるんです。他のプロの方々の絵を見ていると、いつもまだまだだなと感じてしまいます。描くときに意識しているのは、流れるように読めることというか、勢いを感じられる画面にすることです。特に、構図のことはもっと研究したいと思っています。
──3巻が発売中ですが、この巻の見どころをアピールお願いします。
見どころは全部なのですが、強いていうと8話の最後のシーンや、9話の最後にある敵が現れるシーンです。凄惨ともいえる場面なのですが、『欲鬼』という作品ならではの絵を見てもらえればと思います。
──作品の今後の展開は決まっているのでしょうか。
どのくらい続けられるかによっても変わってくるのですが、作品をどのように終えるかということは、連載を始めたときから何となくイメージしているものがあります。
──連載を始めてから、思っていた以上に動いてくれた登場人物はいますか?
ある程度想定どおりではあるのですが、妹の新菜は自由に動き回ってくれて便利な存在です。逆に正人はなかなか思ったように動いてくれません(笑)。思うようになってくれないところが正人らしいともいえるのですが。
──最後に、読者さんへのメッセージをお願いします。
自分の「描いていて楽しい」を詰め込んだ作品です。みなさんにも楽しんでもらえると嬉しいです!
◎必見! 名場面集!

◯第1巻64~65ページ
正人の悪を裁く能力「欲制裁判」。相手の欲望=生きる糧を消し去り、生きる屍に変えてしまう。

◯第2巻 122~123ページ
殺人鬼・ブラックジョーカーに祖父を殺された椿が、苦悩の果てに憎しみを乗り越えた瞬間。

◯第2巻 62~63ページ
古茨ユリアに家族を殺された過去を持つ正人。目の前に、仇敵の関係者が‥‥!!

◯第1巻 78ページ1コマ目
潜入捜査で高校に転入した新菜。犯人を誘き出すため巨乳アピール。デカい。
WACOM公式サイトでも色原先生の特集記事が読める!!

最新単行本第3巻 絶賛発売中です!!
◎本の紹介
□欲鬼(3)

己の欲望を満たすため、超常的な力を振るう存在《欲鬼》がはびこる世界。「正義欲」の欲鬼・二十正人(じつなし まさと)は、自分の家族を殺した宿敵・古茨ユリア(こいばら ゆりあ)を裁くべく追っていた。彼女と繋がりを持つ人物・上条 登が関与する大量変死事件「上上上事件(うえうえうえじけん)」。欲鬼処理部隊の精鋭ですら解決できない難事件を捜査する正人だったが、その行く手で謎の欲鬼たちが襲いかかる……!! 謎の多い「上上上事件」は、やがて想像を絶する事態へと姿を変え、正人たちを飲み込んでいく!!
- 著:色原みたび
- ISBN:9784063925531
- 製品ページ:http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063925531