獣人の狼青年・十真は、江戸の町を守る同心。ある夜、謎の兎姫・六花を助けたことから、彼女を匿うことに。

平穏を望む十真と秘密を抱える六花の同居生活は、笑いあり波乱ありの恋愛時代劇へと発展していく。

カワイイの純度が高い!

そのまま穏やか&ハッピーに暮らしておくれ~~~とヨシヨシしたくなるマンガだ。
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逃亡を続ける謎の少女・“六花(りっか)”に、エドの街に暮らす青年・“十真(とおま)”は「平穏な生活」を申し出る。彼はそういう生活の値打ちをよく知っているからだ。
狼同心と兎姫の同居は大波乱の日々の始まり!?  獣人恋愛時代劇『六花綺譚』
味噌汁とぬか漬けと炊きたてのごはんで朝ごはん。十真はのんびりと1人で丁寧に暮らし、そんな自分の生活を心から愛している(本作は台所仕事の描写がとてもいいマンガでもある)。ちなみに十真のお尻には太くてモコモコな尻尾が生えている。そう、この世界に生きる者たちは獣人だ。
狼同心と兎姫の同居は大波乱の日々の始まり!?  獣人恋愛時代劇『六花綺譚』
十真は狼で、お仕事は定町廻同心(町のお巡りさん的存在)で、いざとなったら狼の姿になってコソ泥を追い回す。とびきりしつこい狼にぴったりの職業だ。しかも彼は正義感がとても強い。

そんなだから職場での評判も上々で、地域の人気者。自分に合った仕事をして、安定した生活基盤を築いて、1人で穏やかに暮らしている。
1人サイコー! 人生大満足! 彼にウットリする獣人はいっぱいいるが、十真本人は誰にもなびかず結婚願望もナシ。人生の優先度が明確だ。

それなのに、なぜ十真は六花との生活を選んだのか。
狼同心と兎姫の同居は大波乱の日々の始まり!?  獣人恋愛時代劇『六花綺譚』
夜のエドの見回りの最中に、ならず者たちに追われる六花に出会い、助けてしまうのだ(仕事だし、そもそも困っている人を見過ごせない)。で、「姫様」と呼ぶ“でかい獣人”が、ヒョイッと六花を十真に預けてしまう。

もちろん六花も獣人だ。
狼同心と兎姫の同居は大波乱の日々の始まり!?  獣人恋愛時代劇『六花綺譚』
六花は小さなモチモチ白兎。そしてでかい獣人こと“三瑠(みる)”は、でかい虎であり、人の姿になるとグラマラスで美しい。それにしても兎になった六花は小さくて、確かにヒョイッとできちゃうサイズ感だなあと思うが……?
狼同心と兎姫の同居は大波乱の日々の始まり!?  獣人恋愛時代劇『六花綺譚』
実際は「大兎獣」と呼ばれるビッグな兎で、がんばって小さな姿になっているらしい。
狼同心と兎姫の同居は大波乱の日々の始まり!?  獣人恋愛時代劇『六花綺譚』
大きくなってもモチモチでカワイイ。ただ、本当に大きくて大きくて、六花が本気で暴れたら狼だって太刀打ちできない。そして六花は、とある国のお姫様でもある。
つまり歩く希少価値。よからぬことを考える獣人もたくさんいたようで、六花は平穏とは無縁の逃亡生活を送っていた。だから十真が焼いてくれた焼きおにぎりを頬張りながら、その温かさにポロポロ泣いてしまうことも。わかるよ、心細いときに温かい物を口にすると泣いちゃうよね。

温かい食事や、雨露をしのげる家で安心して眠る尊さを愛する十真は、自分の平穏な生活を、この苦労続きのお姫様に「献上」することを決める。決めたら徹底するあたりにも、真面目で誠実な十真の人柄がうかがえて、とてもいい。

妙々々々々々々々~

六花にとってエドでの新生活は楽しいことでいっぱい。
狼同心と兎姫の同居は大波乱の日々の始まり!?  獣人恋愛時代劇『六花綺譚』
ある日はエド最先端の商業エリア「ハイカラ通り」で十真とお買い物。ここで六花が何を買ってもらったかはお楽しみに。とてもホッコリする。そして「妙々々々々々々々~」は六花の口癖だ。たぶん「サイコー!」みたいな気分の表れだろう。
かわいい。音声でも聞いてみたいよ。

平穏な生活を望むお姫様と、そのお姫様に平穏を献上するエドの同心。十真は身分の違いをわきまえているし、下心も何もなく六花と暮らし始めた。指一本触れず、ただただ六花を優しく守る十真の様子と、素直に甘える六花の日常に和む。読むとホッとする恋愛時代劇だ。

だけど同居すればいろんなことがある。非の打ち所がない同心の十真にも「苦手なこと」があったり(実に狼らしい弱点だ)、周りには「どういうご関係で?」なんて詮索されたり。何かあるたびに2人はお互いを大切にしながら平穏な生活を守っていくが……?
狼同心と兎姫の同居は大波乱の日々の始まり!?  獣人恋愛時代劇『六花綺譚』
お姫様から「撤回しないか?」と言われたら同心は従うしかない? こんなにずっと一緒に居て、ずっとハッピーで「妙々々々々々々々々~」を連呼してしまうのだから、大好きになるのはやむなし。六花の朗らかかつ大胆なお姫様っぷりを味わってほしい。
狼同心と兎姫の同居は大波乱の日々の始まり!?  獣人恋愛時代劇『六花綺譚』

六花綺譚(1)

著 : 桐丘 さな

試し読みをする 『大正処女御伽話』『昭和オトメ御伽話』作者の待望の最新作は、
狼同心と兎姫が綴る獣人恋愛時代劇!
繰り広げられる六花様と十真のやりとり、
微笑ましかったり、面白可笑しかったり、推せること間違いなし!!
平穏な生活を愛する狼の獣人の青年・十真は、エドの町の平和を守る定町廻同心。
ある晩、ならず者に襲われていた謎の少女と出会う。
少女の名は六花。
遠くイズモの国から来たお姫様で大きな秘密を持つが故、
追われる身だった彼女を偶然助けた十真は成り行きで匿う事に。
逃亡生活に疲れた六花に平穏を献上しようと決めた十真だが、
初めての女の子との同居は平穏とは程遠い大波乱の日々の始まりで!? 詳細を見る 既刊・関連作品

レビュアー

狼同心と兎姫の同居は大波乱の日々の始まり!?  獣人恋愛時代劇『六花綺譚』

花森リド

ライター・コラムニスト。主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」などで執筆。

X(旧twitter):@LidoHanamori

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