三菱電機株式会社
株式会社三菱地所設計
学校法人早稲田大学
「三菱電機ZEB関連技術実証棟『SUSTIE』」が
世界最大規模の環境建築技術賞においてアジア地域優秀賞を受賞
詳しくは早稲田大学ウェブサイトをご確認ください。
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三菱電機ZEB関連技術実証棟「SUSTIE」
三菱電機株式会社(東京都千代⽥区、執行役社⻑:漆間 啓)と株式会社三菱地所設計(東京都千代⽥区、代表取締役社⻑:谷澤 淳一)と学校法人早稲田大学(東京都新宿区、理事長:田中 愛治)は、「三菱電機ZEB関連技術実証棟『SUSTIE(サスティエ)』」(神奈川県鎌倉市/以下「SUSTIE」)が、米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)が主催する世界最大規模の環境建築の技術賞「ASHRAE Technology Awards Program」の新築オフィス部門(Commercial Buildings(new))において、アジア地域優秀賞「Regional Winner」(2025-2026 ASHRAE Regional Technology Award Regional Winner)を受賞したことをお知らせします。
■ 世界最大規模の環境建築技術賞「ASHRAE Technology Awards」
「ASHRAE Technology Awards」(1999年より毎年開催)は、居住者の快適性・室内空気質・省エネなどの観点と運用データに基づく評価で革新的な環境建築を表彰する、世界最大規模の権威ある技術賞です。「SUSTIE」は、このたびASHRAEの地域別カンファレンス(ASHRAE Region XIII Chapters Regional Conference)において、新築オフィス部門におけるアジア地域の「Regional Winner」を獲得しました。これにより、日本を含むアジア地域の代表プロジェクトとして、2026年に開催予定の世界最優秀選考へ進むことが決定しました。引き続き、「世界一の環境建築」を目指してまいります。
米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE/American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers、本部:米国・アトランタ)は、1894年に設立された、132カ国以上にわたり、5万人を超える会員を擁する、空気調和に関する世界最大の国際的学会です。
■ 「環境配慮」「快適・健康」の3認証を全て最高ランクで取得した日本初の中規模オフィスビル
徹底した省エネルギー化およびカーボンニュートラル化に取り組んだ「SUSTIE」は、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の最高評価『ZEB』※1に加え、快適で健康性の高い空間の創出によりCASBEE-スマートウェルネスオフィス※2の最高評価「Sランク」とWELL認証※3の最高評価「プラチナ」を取得した、日本初の建築物です。竣工後の実運用においても、AIやIoT、シミュレーション技術などを用いて、より高効率なエネルギー運用を目指して継続的な改善に取り組んでいます。
※1:評価対象設備のエネルギー消費量の削減率が、基準ビルに対して100%以上となるビル。
※2:一般財団法人建築環境・省エネルギー機構による、建物利用者の快適・健康の維持増進を支援する建物の仕様・性能・取り組みへの評価。
※3:米国Delos社の開発した建築物の環境性能を評価する国際認証。人間工学的側面(生産性向上等)の評価に加え、利用者のウェルネス(快適・健康)を重視する点が特徴。国際的な指標として認められている。
■ これからの社会が求める《プロトタイプ建築》を提示する「SUSTIE」の4つのポイント
カーボンニュートラル社会の実現を目指す上で、ZEBの普及は喫緊の課題となっています。同時に、労働⼈⼝の減少を⾒据え、オフィスワーカーの健康増進や⽣産性の向上を実現する快適な執務空間の創出は、これからのオフィス設計の重要なテーマです。「SUSTIE」はこれら社会課題の同時解決を目指し、省エネ性と健康・快適性を最⾼水準で両⽴した建築です。
ポイント(1):都市部での『ZEB』普及を見据えた設計アプローチで『ZEB』を実現
「SUSTIE」では、まず、①開口や庇などを用いた《建築的な工夫》(パッシブデザイン)で自然エネルギーを最大限に活用した上で、②《高効率設備機器の導入》(アクティブデザイン)を重ね合わせる段階的な設計により徹底的な省エネ化を実現。その上で、③《オンサイトにおける創エネの最大化》に向け、太陽光パネル(約360kW)の全てを建物上に設置し、敷地制約の高い都市部での中規模ビルの『ZEB』実現性を示しました。
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パッシブデザインとアクティブデザインを組み合わせた設計
ポイント(2):《建築的な工夫》自然エネルギーの積極的な利用でエネルギー消費量を削減
北側に設けた大吹抜空間は、北面からの採光で明るさ感を確保し、日中の照明を不要としました。また、吹抜上部の熱だまりを利用した重力換気や自然換気窓の活用などにより、建物全体で空調負荷の削減を図っています。
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「SUSTIE」の特長である大吹抜空間。北面の大開口にLow-e複層ガラスを採用し、明るさを確保しつつ冷暖房負荷を低減。
ポイント(3):《高効率設備機器の導入》ZEBとウェルネスを両立する設備設計
一部の執務室では、パッケージエアコンで天井内を冷却・加熱し、アルミ製天井パネルの放射効果を用いて気流感のない仕組みで室内を調温する「天井チャンバー型空気式放射空調システム」を導入。徹底した省エネとオフィスワーカーの快適性の向上を両立する設備計画を、建物内の随所で展開しています。
ポイント(4):《運用における取り組み》AIで省エネと快適性を両立する、独創的な「ZEB運用」 設計時の BIM データをもとに構築したデジタルツイン環境で、各設備の動作や温湿度・照度などを事前にシミュレーションし、エネルギー収⽀や快適性への影響などを予測しています。
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1・2年目の一次エネルギー消費量 [MJ/㎡・年]
設計値での『ZEB』取得に加え、運用1・2年目の実績値(a, b)でも、年間の創エネルギー量が消費エネルギー量を上回り『ZEB』を達成。
※4:空調機が屋内在室者の持つ端末と通信することで位置情報を取得し、屋内マップ上に在室者の位置と室内の温熱環境情報などを一覧で表示するシステム。
こうした取り組みにより、年間エネルギー消費量(実績値)でも『ZEB』を達成しています。また、ビルに関わるCO2排出量全体の削減を目標として、運用時の『ZEB』だけではなく、機器容量の縮減、冷媒量の低減、機器更新の容易化等、エンボディドカーボン※5削減にも取り組んでいます。
※5:建築の資材調達~建設~運用~解体に至るライフサイクル全体で排出されるCO2のうち、運用時のエネルギー消費と水消費を除くその他全ての活動で排出されるCO2。
■ 2025年8月16日にSuwon Convention Centerで開催された表彰式
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■ 建築概要
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102172/202508093443/_prw_PT1fl_jnf6f0QH.png】
■日本国内における「SUSTIE」の評価
「 SUSTIE 」はこれまでに下記の賞を受賞しています ( 2025 年 7 月現在、主要賞のみ) 。
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※「SUSTIE」は三菱電機株式会社の登録商標です。