2025年12月15日
アッヴィ合同会社

アッヴィ、ウパダシチニブについて、円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)に対する治療薬として、日本における適応追加承認を申請

 

ー 円形脱毛症は、頭部や顔(眉毛、睫毛など)、身体に非瘢痕性の脱毛を引き起こす炎症性自己免疫疾患1。脱毛による自尊心の低下により、社会的対人関係などに深刻な影響をもたらす

ー 日本を含む国際共同第3相試験の結果に基づく申請

ー ウパダシチニブはヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤であり、日本において8つの適応症に対する治療薬として承認を取得

 

アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長:ティアゴ・カンポス ロドリゲス)は、本日、ウパダシチニブについて、円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)を対象とした治療薬として、適応追加承認を申請しました。
ウパダシチニブは 1 日 1 回経口投与する低分子のヤヌスキナーゼ(JAK) 阻害剤で、現在、日本においてアトピー性皮膚炎を含む8つの適応症に対する治療薬として承認を取得しています。

 

円形脱毛症は、頭部、顔(眉毛、睫毛など)、身体に非瘢痕性の脱毛*を引き起こす炎症性自己免疫疾患です1。どの年齢でも発症する可能性があるものの、患者さんの40%は20歳までに発症し、全体の80%以上は40歳までに発症すると報告されています2,3。全人口の約2%が生涯で1回以上罹患するとされ、国内での円形脱毛症の有病率は近年増加傾向にあります4,5。

*非瘢痕性の脱毛:髪の毛を再生する毛包が破壊されず、再び発毛する可能性がある脱毛

 

円形脱毛症は、自尊心や自信の低下、対人関係への悪影響を及ぼします。特に他者から見える部位に脱毛がある場合、患者さんの幸福感(ウェルビーイング)、人間関係、生活スタイル、そして仕事の生産性に深刻な影響を及ぼす可能性がある疾患です2,6。特に、成人および青少年の患者さんは、不安やうつ病の発症率が高いことも報告されています7。

 

現時点で、治療法として、副腎皮質ステロイドの外用療法や局所注射が行われています 。また、重症の患者さんには、副腎皮質ステロイドやJAK阻害剤の全身療法も行われていますが、円形脱毛症の根治療法や予防法はありません。また、大部分の患者さんが再燃を経験することが報告され、さらに再燃後の治療は効果が低下する場合もあります7, 8。こうした状況から、重症の円形脱毛症患者さんに対し、有効な全身療法への高いアンメットニーズが存在すると考えられます。

 

アッヴィはこうした状況を背景に、ウパダシチニブの円形脱毛症に対する適応追加を申請しました。
今回の申請は、第3相UP-AA臨床試験プログラム(M23-716試験)の結果に基づいています。

 

UP-AA臨床試験プログラム(M23-716試験)について

M23‑716試験は、成人および青少年の重症(頭部の脱毛面積が 50%以上)の円形脱毛症患者さんを対象として、ウパダシチニブの有効性および安全性を評価する、第3相、国際共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験です。本試験は4つのStudy(Study 1,Study 2,Study 3およびStudy 4)で構成されており、日本も参加しています。本試験の詳細な情報については、clinicaltrials.gov をご覧ください(NCT06012240)。

 

ウパダシチニブについて

アッヴィが自社開発したウパダシチニブは、低分子の選択的 JAK 阻害剤で、複数の免疫関連疾患の治療薬として開発が進められています。本剤は機能的選択性を示し、JAK2 のペアを介してシグナルを伝達するサイトカイン受容体と比較して、JAK1 または JAK1/3 を介するシグナル伝達を優先的に阻害します9。ウパダシチニブは、2020年1月に既存治療で効果不十分な関節リウマチの患者さんに対する治療薬として、日本における製造販売承認を取得しました。また、2021年5月には既存治療で効果不十分な関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、同年8月には既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎、2022年5月には既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎、同年9月には既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入および維持療法、2023年2月にはX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、同年6月には既存治療で効果不十分な中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入療法および維持療法の治療薬として、2025年6月には、巨細胞性動脈炎の成人患者さんに対する治療薬として、日本における適応追加承認を取得しました。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製とソリューションの提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。
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日本においては主に、免疫疾患、肝疾患、精神・神経疾患、がん、アイケアの領域、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスのポートフォリオで、製品の開発と提供に取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.co.jpをご覧ください。FacebookYouTubeでも情報を公開しています。

 

References:

1.Wasserman D, Guzman-Sanchez DA, Scott K, et al. Alopecia areata. Int J Dermatol. 2007;46(2):121-31.

2.Villasante Fricke AC, Miteva M. Epidemiology and burden of alopecia areata: A systematic review. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2015;8:397-403.

3.Pratt CH, King LE, Jr., Messenger AG, et al. Alopecia areata. Nat Rev Dis Primers. 2017;3:17011.

4.Campos-Alberto E, Hirose T, Napatalung L, et al. Prevalence, comorbidities, and treatment patterns of Japanese patients with alopecia areata: A descriptive study using Japan medical data center claims database, J Dermatol. 2023;50(1):37-45.

5.日本皮膚科学会円形脱毛症ガイドライン策定委員会. 円形脱毛症診療ガイドライン2024.

6.Strazzulla LC, Wang EHC, Avila L, et al. Alopecia areata: Disease characteristics, clinical evaluation, and new perspectives on pathogenesis. J Am Acad Dermatol. 2018;78(1):1-12.

7.Cranwell WC, Lai VW, Photiou L, et al. Treatment of alopecia areata: An Australian expert consensus statement. Australas J Dermatol. 2019;60(2):163-70.

8.Rudnicka L, Arenbergerova M, Grimalt R, et al. European expert consensus statement on the systemic treatment of alopecia areata. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2024;38(4):687-94.

9.RINVOQ [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Deutschland GmbH & Co. KG; May 2021. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/rinvoq-epar-product-information_en.pdf

 
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