災害への危機意識をもつ首都圏に住む中高生30名が4チームに分かれ、 学術的レベルの防災提言を実施

尾西食品株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:市川伸介)は、東京大学大学院情報学環 開沼研究室と共同で実施している防災教育プログラム「尾西食品×東京大学 防災探究アカデミア」の研究発表会を、12月14日(日)に東京大学福武ホールにて開催いたしました。

 

9月のキックオフから約3ヶ月にわたり、集まった中高生が防災をテーマに調査・研究を進め、その成果を学術的レベルでプレゼンテーションしました。


※研究発表詳細や、参加者インタビューについてはHPに掲載しております。
URL: https://www.onisifoods.co.jp/news/detail.html?no=529 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202512211477-O2-HjAO20ty

 

【開催概要】

日時: 2025年12月14日(日) 13:00~15:30
会場: 東京大学 福武ホール
参加者: 全国から集まった中高生30名(4チーム)
主催: 尾西食品株式会社
協力: 東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター開沼博研究室

 

【発表会の様子】

当日は13時からの発表会に向けて学生参加者は10時に集合し、最終調整をおこないました。【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202512211477-O4-5w3bmhlD】【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202512211477-O5-1LqZ13tm

4チームがそれぞれ8分間の発表と10分間の質疑応答を行い、約3ヶ月間の研究成果を披露しました。発表内容は、問いと答えの対応関係の明確さ、先行研究の整理、調査方法の新規性・独自性、プレゼンテーションの魅力、分析・結論の整理、そして学術的・社会的な新規性という観点から専門家による審査が行われました。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202512211477-O6-WgkXQ99r

メディア取材も入り、中高生とは思えない本格的な研究発表に感嘆の声が上がりました。質疑応答では、東京大学の研究者や尾西食品から鋭い質問が投げかけられ、参加者たちは堂々と自らの研究について説明する姿が見られました。

 

【発表内容ハイライト】

最優秀賞

研究タイトル:
「避難所生活における健康維持のための意識調査―防災バッグの常備薬備蓄と災害時アレルギー対応―」

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202512211477-O7-0TJSeg1I

発表内容の概要:
災害時の避難生活において、「薬の備え」と「アレルギー対応」という、従来見落とされがちだった2つの重要課題に着目した研究。首都圏の中高生282名を対象にアンケート調査を実施し、以下の重要な実態を明らかにしました。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202512211477-O8-auKhXO80

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202512211477-O9-xm6BC7PP

 

優秀賞

研究タイトル:
「災害時に中高生はスマートフォンをどのように使うのか」

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202512211477-O10-m4Al4344

発表内容の概要:
現代の中高生にとって不可欠なスマートフォンが、災害時にどのように活用されるのか、そして保護者による使用制限が災害時の安否確認や情報収集にどのような影響を及ぼすのかを調査した研究。首都圏の中高生261名を対象にアンケートを実施しました。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202512211477-O12-w0dIR2A4

 

赤門賞(その他2チーム)

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202512211477-O11-wm4nO75E

研究タイトル: 「東京ドームではどのくらいの帰宅困難者が発生しうるのか―東京ドームの帰宅困難者数と文京区の帰宅困難者一時滞在施設のキャパシティ―」
大規模施設である東京ドームでの帰宅困難者数を推計し、文京区の受け入れ体制との比較分析を実施。具体的な数値をもとに、地域の防災計画への提言を行いました。


 

研究タイトル: 「中高生の防災意識と行動は、周りの情報や教育とどのように関係しているのか」
昨年度、荒川区教育委員会と連携して実施した「区内中学生家庭の防災に対する意識調査」の発展研究。調査範囲を拡大し、年代別・地域別の防災意識の違いを分析。学校教育における防災教育の改善点を具体的に提言しました。先行研究との比較分析により、防災意識の経年変化を明確化し、学校現場で即実践できる具体的な教育プログラムを提案しました。

【審査基準】

開沼准教授・尾西食品・メディアによる審査は以下の観点で実施されました:

✓ 研究の「問い」と「答え」の対応関係の明確さ
✓ 先行研究の整理と研究の位置付けの適切さ
✓ 調査・検証方法の新規性・独自性
✓ プレゼンテーション全体の魅力
✓ 論点の明確さと表現力
✓ 分析・結論の整理と意義の明確さ
✓ 学術的・ジャーナリズム的な新規性・独自性

特に、「学会報告・論文」や「良質な記事」として成立する価値があるかという観点を重視し、中高生の研究でありながら社会に実装可能な提言が含まれているかが評価されました。

【審査員コメント】

東京大学大学院情報学環 開沼博准教授

「初回ということでどうなるかと思いましたが、研究として新規性・独自性が認められ得る水準の知見がいくつも出ていました。おそらく学校の防災訓練やメディアから流れてくる情報だけではわからないことを、それぞれが深く追求できたのではないかと思っています。

特にアレルギー対応の話は、災害研究者が注目できていない部分でした。食の話は二の次、三の次にされてきた部分だったので、そういった新規性が研究としてもあるというところに目が向いたのはすごいことです。また、スマートフォンの使用制限と災害時の情報取得の関係についても、中高生ならではの視点でした。世代が違うから見える世界観が違うということ、そしてむしろ社会が変わっているのに、私たち大人が追いついていないということを改めて感じました。

最も重視しているのは、『頑張ったね』と全肯定する環境ではなく、本気で社会に関与していくという基準を設定したこと。
それについてこれる人が多かったということは素晴らしいことです」

※開沼准教授の詳細なコメントは、弊社ウェブサイトに掲載しております。

【今後の展開】

・国際防災意見交換※1月7日午後開催

・学会発表への挑戦(日本災害情報学会など)

・各種コンテストへの応募

・研究内容のブラッシュアップ指導

・論文執筆サポート

 

今回の発表で特に優れた評価を得たチームは、来年度の学会発表に向けて専門家の継続的な指導を受けながら、さらに研究を深化させていきます。

【プログラムについて】

本プログラムは、尾西食品株式会社が東京大学と共同で実施する体験型防災教育プログラムです。

 

尾西食品が本プロジェクトをサポートする意義

 昨年度、荒川区防災対策会議において、当プログラムに参加した中学生から「中高生も災害時に防災の担い手になれる」という重要な提言がなされました。本年度のプログラムでは、参加する中高生が月2回程度のオンライン進捗会議で専門家の指導を受けながら、自らの手で防災について調査・検証し、学術的成果として通用するレベルの研究を進めてきました。防災食メーカーとして、備蓄食を提供するだけでなく、次世代の防災意識を高め、中高生が実際に防災の担い手として活躍できる環境をととのえることも、持続可能な防災社会の実現につながると確信しています。

 

 

◼️尾西食品株式会社

・事業内容:長期保存食の製造と販売

・代表取締役社長:市川 伸介 

・所 在 地: 〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目9番1号 芝浦ルネサイトタワー12階 

・URL:https://www.onisifoods.co.jp/

 

 
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